地方重視の政策を―。福田康夫元官房長官(71)が自民党総裁に就任した二十三日、県内の有権者は祝福とともに強い期待を込めた。地元活性化を強く望む一方、構造改革路線の維持を不安視する人も。年金問題の早期解決や少子化対策を求める声も多かった。
衆院4区の有権者は、福田氏が地元選出議員とあって喜びが特に大きい。藤岡市藤岡、小売業、小林茂樹さん(59)は「気負わず頑張ってもらいたい。福田さんは会社員として働いた経験があり、地方や企業への理解も深いと思うので、大いに期待している」。高崎市金古町、無職、後閑久江さん(75)は「群馬から四人目の総理誕生はすごいこと。福田さんは思慮深く、温厚そう。体を壊さないように頑張ってほしい」とエールを送った。
福田総裁が選挙期間中、たびたび口にした「地方重視」。自営業の人々からは期待が寄せられた。中之条町中之条、パン店経営、藤生理津子さん(57)は「地元商店街は倒産や閉店が相次ぐ厳しい状況。若い後継者が安心して生活できるようにしてほしい」と切実に訴える。渋川市南牧、美容室経営、田中綾子さん(41)は「参院選で自民が負けたのは地方に対する政策の失敗が大きいと思う。地方を盛り上げ、都市部から若者が戻ってくる政策を期待したい」。
小泉内閣が推進した構造改革路線の維持については、不安の声も上がった。「小泉改革以降、格差社会など影の部分が無視できないものになっている」と指摘するのは前橋市関根町、無職、宮沢福寿さん(73)。桐生市元宿町、自営業、大川智樹さん(26)は「勝ち組、負け組のように今の社会は不公平で偏っている。小泉改革のつけを是正してもらいたい」と注文をつけた。
年金問題、景気回復、少子化対策、教育再生―県民が新内閣に取り組んでほしい課題は多岐にわたる。みなかみ町後閑、店員、千明靖子さん(37)は「まず年金問題が解決しないと困る。福田さんはリーダーシップが発揮できそうなので早く解決してほしい」と強調。
太田市飯塚町、不動産業、鶴巻太さん(33)は「景気が良くなったと実感できるようにしてほしい」、館林市城町、バス会社勤務、三和雅樹さん(42)は「頑張った分、報われる生活を実現して」と景気向上を期待する。
富岡市富岡、飲食業、小山さち子さん(62)は「子供は国の宝。医療費の無料化拡大、児童手当引き上げなど、国を挙げた少子化対策推進を」。玉村町下新田、主婦、井野聖子さん(27)は「心を豊かにする教育が必要不可欠。時代を担っていく子供たちの将来のことも考えて」と訴えた。

◎買い物客ら熱心に見入る 福田新総裁誕生で上毛新聞社が号外
上毛新聞社は二十三日午後、福田康夫氏が自民党新総裁に選出され、次期首相に就任することを伝える号外四万部を発行、鉄道駅や大型店舗、商店街などで配布した。
福田氏の地元、高崎市群馬地区では、大型ショッピングセンターで配布した。親子二代の総裁誕生とあって関心は高く、号外を受け取った買い物客らは、立ち止まって熱心に見入っていた=写真。