福田康夫首相は一日午後、衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説を行い、参院での与野党逆転を踏まえ「野党と誠意をもって話し合いながら国政を進めていく」と表明、民主党との協調路線に軸足を置く姿勢を鮮明にした。特に海上自衛隊のインド洋での給油活動継続は「国益に資する」として、国民や国会の理解を得るため全力を尽くすと強調。構造改革は推進しつつ、地域間格差など「生じた問題には処方せんを講じていく」と述べ、国民生活の安全・安心を重視した「温(ぬく)もりのある政治」への転換を打ち出した。
国会は九月十二日に安倍晋三前首相が退陣表明して以来、約三週間ぶりに再開。三日からは衆院本会議で各党の代表質問が始まり、「ねじれ国会」を舞台に与野党攻防が激化する。首相は冒頭、安倍前首相の退陣に伴う国政混乱を陳謝し「今後、誠実な国会対応に努める」と明言した。
喫緊の課題には「政治、行政の信頼回復」を挙げ、「政治とカネ」問題を指摘された閣僚には説明責任を尽くさせると言明。首相が代表を務める自民党選挙区支部での領収書書き換え問題の発覚を受けて「特に、自らについては厳しく戒めていく」と付言した。
年金記録不備問題に関しては「国民の立場を軽視したことに原因がある」として、受給者の立場を重視した着実な解決を約束した。さらに政治資金透明化策の取りまとめや、年金など社会保障制度の抜本改革に向けた与野党協議を呼び掛けた。
税制では「早急に本格的議論を進め、消費税を含む税体系の抜本的改革に取り組む」との従来の政府見解にとどまった。
三日午後の衆院本会議では民主党の鳩山由紀夫幹事長が質問のトップに立ち、給油活動の実態について徹底した情報開示を求める。自民党は伊吹文明幹事長が参院選惨敗の要因となった「格差」問題について、新内閣の取り組みをただす。
四日には公明党の太田昭宏代表、共産党の志位和夫委員長、社民党の照屋寛徳副党首らも質問。参院での代表質問は四、五両日に行われ、質問時間などを与野党が協議。来週からは論戦の舞台が衆参両院の予算委員会に移る見通しで、与野党が日程を調整している。