視点 オピニオン21
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高崎のまちづくりを考える会代表 
渡部恵知子さん
(高崎市上中居町)

【略歴】高崎市出身、武蔵野音楽大学ピアノ科卒。1974―79年、東京農業大学第二高校音楽科講師、99年度高崎女性経営者研究会会長、92年プチローズ設立、代表。


楽しいイベント

◎官民がスクラム組んで

 二月三日の節分の日、たくさんの福を招き入れる面白くて楽しいイベントが、県庁一階県民ホールで開催されます。県が他県に先駆けて着眼し、幅広い視点と全く新しい手法で企画した、元気なシニアによるシニアのための可能性をさぐる内容のイベントです。「シニアビジネス・プレゼンテーション」というのが正式名です。

 近未来にやってくる超高齢社会に向けて、シニア市場をターゲットに経済・流通を活性化、促進させるためのプロジェクトの一つです。担当は商政課の流通・サービス業係です。商工労働部に属し、一つには県の経済に新しい流通を促すため、その可能性を具現化できるように貢献している部署で、将来を見据え、時代をとらえていかなければならない思考の柔軟性を問われるところです。

 私は同課が担当しているサービス産業振興会議の委員をしている関係で、イベントの準備段階から参加しているのですが、アイデアの提供意見交換を重ねるたびに、私の心はふつふつと期待感が膨らんできました。

 そこに「高崎のまちづくりを考える会」のメンバーが加わり、熱のこもったミーティングが重なると、知恵とノウハウが結集して、全く新しい企画書ができました。その過程は、官民が共に一つの目的に向かって一体化していくのを実感する一時でした。

 「鬼はそと、福はうち」「不安はそと、不況もそと」「春よこいこい福よこい」―。子供からシニアまで、来場者全員が驚くほどの面白い仕掛けがいっぱいに。今年の節分は、家族そろって県庁の一階に遊びに来てください。

 「高崎のまちづくりを考える会」の活動を進めていると、県・市など行政との交流が増え、一歩踏み込んだ意見交換をする機会も重なり、行政も変わりつつあるのだと実感することが多くなりました。

 今回のイベントに関しても、従来型の式典のようなものではなく、基本線を軸に大きく方向転換して、内容を豊かなものにしていくさまを、自分の目でとらえることができました。私が今まで持っていた行政への考えが、大きく変わりつつあります。この変化は私自身驚きと喜びであり、認識不足だった自分自身に反省もするようになりました。

 今までは、行政からの一方通行の企画・計画書の提示ばかりで、書類の作成にエネルギーを費し、そこで完結したような多くのイベントに、参加者は置き去りにされたような寒々とした気持ちを抱いていたと思います。また、県民の満足度調査やフォローも、少なかったように思われます。手間はかかりますが、民間活力の最大利用と活用を、もう一度じっくり考えてほしいと思います。

 また、民間ももっと行政にかかわり、努力することです。無感心では何も始まりません。声を出して意思を伝えることが、大切ではないかと思います。将来は民間主導型になっていくでしょうし、行政は最大のサポーターとして大きく改善されていくでしょう。

 官民が知恵と知識の強力なスクラムを組んでいったら、群馬の未来は変化していくでしょう。私はその渦中にいることを、いつも認識していこうと考えています。



(上毛新聞 2002年1月30日掲載)