視点 オピニオン21
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新田町文化スポーツ振興事業団総務係主事 
原田 憲さん
(伊勢崎市波志江町 )

【略歴】横浜市生まれ。愛知県知多郡で育ち、米国テネシー州立大経済学部卒。東京日本橋の損害保険会社に就職し、外航貨物海上保険損害調査部門に所属する。02年4月から現職。

ホールでのマナー



◎公演中の移動は迷惑

 今回は文化ホールの楽しみ方を紹介します。まずはチケットの購入方法ですが、一般的にはホールのチケットカウンターかプレイガイドに直接出向いて購入する方法、または主催者が指定する電話(あらかじめホールの座席表を用意しておくと便利です)、もしくはインターネットで予約購入する方法があります。また、チケットは一度購入してしまうと公演が中止されない限り、払い戻しや別種チケットとの交換ができない商慣行となっています。購入後は裏面の注意事項も確認しましょう。

 公演当日ですが、軽食を取り、指定席でも開場前にホールへ到着する余裕が必要です。服装は公演にもよりますが、TPOを考えて半ズボンやサンダル以外の、清潔感ある服装がよいでしょう。また、ホール内は楽器が高温高湿を嫌うため、低温低湿管理していますので、ジャケット等をご用意ください。

 開場しましたらまず座席案内板で座席の確認、そして洗面所と入退場口(非常口)を把握しておきましょう。手荷物はクロークがある場合には利用し、ない場合は座席の下に置いてください。雨天のため傘をホール内に持ち込んだ場合は、自分の席の下に倒して置いてください。

 席に着きましたら、開演前にプログラムを読んでおきましょう。また、列の中央の人が席へ入る時は、立って通路を確保してあげると、とてもスマートに見えます。欧米では一般的なマナーですが、日本でも定着させたいマナーの一つです。さらに、文化ホールは映画館や演舞場と違い、客席内での飲食はできません。最近はホールで映画会、歌舞伎や寄席を実施しておりますが、あくまでも文化ホールですので、ご理解いただければ幸いです。

 開演時間に遅刻した場合は、勝手に入場できません。ホールの催し物というのは「時間・空間芸術」であり、出演者のみならずお客さまのマナーも公演の一部だからです。入場できるタイミングは、観劇は演出上の都合によりさまざまですが、クラシックは楽章間です。レセプショニスト(会場係)の指示に従って客席内に入場するとよいでしょう。着席は指定席でも後ろの空いている席に座り、休憩中に移動してください。公演中に中央や前方の席に移動するのは目障りであり、他のお客さまや出演者にも迷惑ですので、絶対におやめください。

 また、小さな子どもは理解できるか我慢できる年齢になるまで、連れてくるのを遠慮したほうがよいと思います。情操教育のため本物に触れさせたい気持ちは十分理解できますが…。参考までにエアリスでは、公演入場対象者がお客さま自身で判断できるよう、公演チラシに標識(全国でも珍しい試み)を記載し、無料託児サービスも用意しております。

 素晴らしい演奏・演技が終わった時には、精いっぱいの拍手や声援で応えましょう。アンコール・カーテンコールが終われば、出演者が退場し終わるまで再度拍手を送りましょう。

 帰りはCD等を購入し、お気に入りのレストランで食事やアルコールを楽しみ、思ったこと、感じたことを家族・友達・恋人と語り合い、イメージを膨らませると、よりいっそう楽しくなりますよ。


(上毛新聞 2002年7月19日掲載)