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NPO法人・日本福祉教育研究所所長 妹尾 信孝 さん(渋川市折原 )

【略歴】亜細亜大卒。難産の後遺症で四肢と言語に障害がある。兵庫県内の知的障害者施設の職員として16年カウンセリングに従事。自らの体験を基に教育、福祉、人権をテーマに講演活動を展開。

情報



◎収集と同様発信も大切

 民間非営利団体(NPO)、日本福祉教育研究所がスタートして二年、試行錯誤の連続ですが、徐々に会員も増えて研究所の活動も軌道に乗り始めました。主な活動として、学びと語らいの場『人塾』の開講(年六回)、情報収集や発信を目的に機関紙『こころ』を発行(年四回)しています。機関紙『こころ』は、情報の収集に県内外に実際に足を運んで取材していますが、メールやインターネットでは入手できない細かな情報も盛り込み、手書きで編集していることも特徴です。

 六月末、東京にある日本NPOセンターを訪れました。日本にNPOの導入、推進を目的に発足、NPO法の制定に尽力し、法の成立とともに認証を受けた日本NPOの草分け的存在である同センターを取材しました。NPOの社会的基盤の強化を図り、市民社会づくりの共同責任者としての企業や行政との新しいパートナーシップの確立を目的に、NPO設立や運営に関する相談をはじめ、NPO、企業、行政など、セクターや活動分野、地域を超えた交流の場を提供し、さまざまな情報をホームページや機関紙で全国に情報を公開しながら、ネットワークの拡大を図ることに力を注いでいるようです。しかし、他のNPO同様、このセンターも財源の確保など抱える悩みも多く、事業の推進にあたり難題が山積みされていることも付け加えられました。

 併設のNPO関係資料が収集されている部屋にも案内されました。全国各地の現状や取り組みなど自由に検索できる閲覧室には、北海道から沖縄まで都道府県別に設けられたボックスに、NPOのみならず、ボランティア団体の活動紹介や機関紙が見やすく整理されるなど、さまざまな情報を得られるよう工夫されていました。資料が入っていない箱もありましたが、群馬県もその一つだったのは残念に思いました。情報収集も大切ですが、情報発信することも必要です。活動が広がると大変だから情報を発信したくない、との声を聞いたことがありますが、何も活動を広げるばかりが情報発信の目的ではないと思います。多くの人たちにどのような活動をしているか、どのような目的で地域活動をしているのか、理解してもらうのも情報ならではの利点であると思います。

 先日、ボランティアリーダー研修会に参加しました。基調講演後、グループ別に話し合いがあり、活動の紹介や問題について意見交換を重ねていくと、「NPOって行政なの?」と質問を受けました。本県には百五十以上のNPO団体がありますが、NPOという言葉は知っていても正しい認識や理解がされておらず、行政の付属機関、下請け組織と思っている人も少なくないようです。情報時代とはいえ、情報を的確に伝達するのは大変なことですが、それぞれのNPO団体がもっとアピールし、その存在や意義目的を知らせ、地域社会に根付かせていくことも今後のNPOの大きな課題なのではないでしょうか。

(上毛新聞 2002年8月5日掲載)