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元高等学校長 山下 隆二さん(高崎市正観寺町)

【略歴】群馬大学芸学部卒。東京都中野区立中央中をはじめ藤岡工高、渋川高、東毛養護学校伊勢崎分校教頭、太田西女子高校長。1969年、本県で行われた全国高校総体事務局で総合開会式担当。

国民文化祭


◎倉吉市での発表に感激

 地道でも一つのことを長く続けていると、時にはご褒美が出るものです。私の所属している「みどり会合唱団」は、十月十二日より十一月四日まで鳥取県で開催された第十七回国民文化祭「とっとり二〇〇二」の合唱祭に出演してくることができました。群馬県からは合唱のほか、民謡、吹奏楽、吟詠剣詩舞道、和太鼓、日舞、邦楽等に九団体がそれぞれの分野で参加発表したようです。私にとっても団員にとっても遠くはなれた倉吉市のホールで、大観衆の前でのステージ発表は、感激と達成感を味わえたし、他県の素晴らしい演奏に身震いするような感動を覚えました。また国民体育大会(国体)のように開催地鳥取の心ある歓迎と人情に触れたこと等々、感謝の気持ちで充実した日程を過してまいりました。

 国民文化祭は、昨二〇〇一年に群馬県で第十六回が開催されたことはご存じの方が多いと思います。私も第十六回国民文化祭高崎市実行委員会合唱の祭典専門部会委員の一員として二年半、二十四回の専門委員会を経てのうえでの開催であったわけですが、今年参加してみて開催地の苦労と配慮に思いを馳(は)せた次第です。
 「国民文化祭」について資料等よりまとめてみると次のようになります。国民文化祭とは、近年急速に高まっている国民の文化活動への参加意欲に応えるとともに、国民の文化活動の水準を高めるため、一九八六年度から開催している国民の文化の祭典です。これは、全国各地で一般の方々が普段から行っている文化活動を、全国的な規模で発表し、競演し、交流する場を提供することにより、広く文化活動への参加の機運を高め、新しい芸術文化の創造を促し、併せて地域文化の振興に寄与することをねらいとしています。国民文化祭の事業は、文化庁、開催地都道府県、開催地関係市町村および文化団体等の共催によるもので(主催事業)、(1)総合フェスティバル(2)シンポジウム(3)分野別フェスティバル―の三つに大別されます。

 さて、合唱の発表に話を戻します。みどり会合唱団は今年、創立五十五周年記念演奏会を開催した合唱団ですが、倉吉市で発表した曲目は、星野富弘作詩、池辺晋一郎作曲の混声合唱組曲「花の祈り」です。これは昨年の国民文化祭合唱の祭典に群馬大会のため依頼して生まれた創作曲で「ぐんまのうた合唱団」により発表されたものですが、この素晴らしい曲をもう一度みどり会合唱団で演奏したい意向で選んだものです。合唱の指揮は、県合唱連盟理事長で、みどり会を育てて五十五周年を迎えた斎藤民先生です。斎藤先生は、九十一歳、高齢であってもいつも合唱の理想を追い求める厳しさと優しい人間味あふれる指導で団員を魅了しております。今回の発表では、地元倉吉でも注目を浴び、翌日の地元の新聞に斎藤先生の記事が掲載されました。いろいろと感動を与える国民文化祭、ますますの発展を望むところであります。

(上毛新聞 2002年11月21日掲載)