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おおた八木節だんべえ踊り協会会長 飯塚 敏正さん(太田市新井町)

【略歴】東京農大卒。JA太田市勤務。仲間とともに太田市オリジナルの「おおた八木節だんべえ踊り協会」を設立。日系ブラジル人親子を支援する九合NPOヴェルジの会の代表も務める。

週休2日制



◎新聞も休んでみては

 昨年四月から学校が週休二日制となり、世の中のほとんどがその体制となりました。

 休みが多くなり、学力の低下や余った時間の子どもたちの過ごし方を心配する保護者も多いようです。しかし、思っていたよりもスムーズに受け入れられたようです。

 私もこれが施行される二年前に小学校の役員として、余暇の過ごし方や子どもたちだけで何か事故等に巻き込まれないかといろいろ考えました。そこで、PTA行事として地元の区長さんや地域の皆さんと親子でグラウンドゴルフ大会を開催して、学校・地域・家庭が一緒になって考え合う場としました。まずは遊びを通して言葉を交わしながら、子どもと大人の垣根を取りはずし、子どもたちの暮らす地域全体が一体となって育成する環境をつくりたいと考えたのです。

 また、学力の低下問題ですが、「ゆとり教育」という方針により必然的に低下することは避けられません。授業時間数の減少や総合学習などにより受験につながる教科時間が減少するからです。

 対策として、今まで学校に任せっきりでいた勉強を家庭で自学する習慣にかえていくことが第一に考えられます。塾に頼るだけでなく、子ども自身に忍耐力や計画性を身につけさせる絶好のチャンスでもあります。

 第二として、減少した授業の習熟度をアップすることです。三十人学級や教科ごとの習熟度別授業により、わからない子どもをなくし、わかる子どもはもっとレベルアップをする。

 これを差別だと言われるかもしれませんが、わからない子どもは平等という教室の中で不平等を甘受していると思いませんか。わからないままで大人になってしまう方が、その子自身にも将来の日本のためにも大変な損失となるのではないでしょうか。

 この対策は、経費を必要としますので、市や県に要望していかなくてはなりません。

 さて、週休二日制に話を戻します。

 私の身の回りで週休二日制でないものを考えると、新聞やテレビがあります。

 新聞はほぼ月に一度の休刊日を除いて毎日朝五時ごろにはわが家に配達されます。配達員の皆さんは、毎日二時ごろから準備に入り、一人で三百軒くらいを配達されるそうです。大変ごくろうさまです。ですから、朝刊は家族全員が楽しみに読んでいます。

 しかし、新聞は月に一度ぐらいしか休みません。なぜでしょう。私たちは週休二日なのに。

 そうなんです。新聞は生活習慣の一部として欠かすことのできない存在なんです。でも、私たちは休んでいるのですから、新聞も休んでみてはどうでしょう。

 現在の日本は、コンビニ・携帯電話などにより二十四時間、時間が途切れることがありません。その中で、新聞という生活必需品も私たちと同じように休むことで、今私たちの置かれている現状と将来を見つめることができるのでは!?

(上毛新聞 2003年3月14日掲載)