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おおた八木節だんべえ踊り協会会長 飯塚 敏正さん(太田市新井町)

【略歴】東京農大卒。JA太田市勤務。仲間とともに太田市オリジナルの「おおた八木節だんべえ踊り協会」を設立。日系ブラジル人親子を支援する九合NPOヴェルジの会の代表も務める。

外国語教育特区



◎踊りを英語で教えたい

 統一地方選も終わり、家の周りでにぎやかだったスピーカーの音も足早に過ぎ去っていきました。私の一票を投じた候補者は皆当選し、これからの太田市のために頑張ってほしいなあ〜。でも、投票率が下がったことは大変に残念。

 さて、私たちヴェルジの会(日系ブラジル人親子のサポート活動)は平成十四年度にたくさんのランドセル・けん盤ハーモニカ・習字セット・国語辞書・制服などを多くの市民から提供していただき、すでに四組の親子へランドセルなどを手渡しました。ここに、ご協力をいただいた市民の皆さんに感謝申し上げます。

 提供をいただいたランドセルなどは、太田市発行のポルトガル語新聞「EVA」などで希望者を募集。この新聞は月一回発行され、大泉町でも配布されているため、大泉町在住者からも連絡がありました。まだ、たくさんいろいろなものがありますから、ご連絡を。

 また、太田市では昨年より大学院生によるポルトガル語での授業が試験的に始まりました。これによってブラジル人の子供たちも少しずつ、日本の教育課程での学力が向上することが期待されます。やはり、子供が安心して暮らせることが親も安心して太田で働くことができるのです。

 ポルトガル語での授業が全市的に広がることを切望し、私たちも一度この授業を見学に行きたいですね。

 ところで、四月二十一日に小泉総理は太田市の外国語教育特区を認定しました。

 これに伴い、平成十七年四月に開校する予定の学校では、国語以外の授業はすべて英語でするそうです。さっきのポルトガル語での授業と似ていませんか。

 わが市長は八年前の就任以来、教育に重点を置いて市独自の算数などへの指導助手の配置や算数支援隊の創設などをしてきました。

 私も、小学校のPTA役員の時に学校から四年生ごろから学力差が表れてくると聞きました。特に算数に顕著であると。これが中学校へ行くともっとひどくなり、わかる子とわからない子が二極化して中間層が非常に少なく、授業をどちらに合せて行って良いのか悩んでいた先生がおりました。

 だから、小学校低学年からの対処は国からの補助がなくても市独自で継続すべきです。十五年度からは国語支援隊も創設されるとのことでなおよろしい。

 さて、外国語教育特区の学校ですが、私立の小中高一貫校にするとのこと。民間からの資本参加で、太田市からの支出は少なくてすむようです。十年後ぐらいには、市内のあちらこちらで多くの外国人と会話する子供たちが目に浮かびます。ぜひ、成功させてください。

 私もそのころまでには、「おおた八木節だんべえ踊り」を英語で教えられるように英会話に励みたいと思います。

(上毛新聞 2003年5月4日掲載)