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あさひ小学校支援隊顧問 森尻 昆男さん(太田市東別所町)

【略歴】太田高卒。米国駐留軍で接客業に携わった後、1958年に群馬県警に入り、実家の都合で64年に退職。民間企業2社に勤務し、86年に退職。昨年4月からあさひ小学校支援隊顧問に就任。

しつけ



◎実践したい子育て10選

 支援隊活動を通じて、どうしたら太田市旭小学区の児童とコミニケーションがとっていけるか。最近、その悩みが噴き出し始めた。原因のひとつに、通学区のパトロール隊協力者が減少傾向にあることだ。このへんで歯止めをかけないと、しりすぼみになってしまうし、せっかく始めた善行が水泡に帰ってしまう。早急に学校・PTA・支援隊が三位一体となって考えていく時がきたようだ。

 話は変わるが、しつけについて、去る三月九日付の上毛新聞・ひろば欄で、富岡市の茂木弘二さんの「親の子育て10選(実践)」という文章を読んだ。その中で「心」「行動」「人間関係づくり」を一本の樹に見たてて、支援隊の活動に大いに参考になった。子どもさんとかかわっておられる父母の皆さんには、ぜひ参考にしてほしい。「10選」を紹介すると―。

 (1)夢は子どもを大きく育てる。過干渉、過保護は子どもの夢をつむ。できた喜びが夢を育てる。

 (2)命を育(はぐく)む思いやりの心。命は一つ、生きる喜びの実感を。命の尊さ、思いやりの心は身近な体験から。思いやりの心豊かな環境づくり。

 (3)我慢は喜びを生む。我慢と努力の積み重ねによる成就の喜びを。何でも買って与えることがこどもを不幸にする。我慢をする体験を多く持つ子はすぐにキレない。

 (4)「もったいない」を大切に。ものに感謝して大切に使う生活習慣を。「もったいない」が無駄遣いを防ぐ。ポイ捨ては心と環境を汚すもと。

 以下、(5)手伝いは仕事の始まり(6)絵本や読書で豊かな感性を(7)遊びは心と体の栄養素(8)楽しい食事で一家だんらん(9)ルールはつきあいの第一歩(10)あいさつは、いつでもどこでも誰にでも。

 また、昨年二月十九日付の上毛新聞に掲載されていた第一回県教育論文最優賞受賞者、永田佐智己さんは「子ども育成会活動は行事に追われるなどして、役員になることをだれも嫌がる。そこで、いろんなことをやり過ぎる反省から、子どもが企画運営する行事に力を入れる実践を始めた。私たちの取り組みが他の地域にも広がってくれたら大きな喜び」と話しており、子どもたちに宿泊体験や歓送迎会を企画させ、子どもの力を引き出す実践をし、子どもの目線で考えている点などが、論文審査で大いに評価されたという。

 最近、当地区では六月二十一日にPTA主催による「みんなで楽しく遊ぼう会」を旭小学校で開催。ベーゴマ回しやペッタン遊び、竹馬乗り、紙飛行機づくり、お手玉遊びなど、子どもを中心に学校、支援隊も協力して盛りだくさんな遊びを実施した。多くの児童が真剣に取り組み、子どもたちの表情をみながら、試行錯誤しながら頑張っている姿こそ、心と体の栄養素であることを発見した。

 前任の園田校長の残してくださった基本方針と、旭小の子どもたちの明るい表情を消さないためにも、俵山会長を軸として支援隊事務局が学校、PTAと連携をとり、中身の濃い支援活動を続けていきたいと思っている。

(上毛新聞 2003年7月24日掲載)