視点 オピニオン21
 ■raijinトップ ■上毛新聞ニュース 
日本アマチュア野球連盟ジュニア強化部会委員
斎藤 章児さん
(高崎市江木町)

【略歴】東京都生まれ。立教大卒。1967年4月から33年間、農大二高野球部で監督を務め、春2回、夏4回、甲子園に出場。2000年1月から03年シーズン終了まで、母校・立教大野球部で監督。

選抜高校野球大会



◎ドリームチーム実現を

 今年の選抜高校野球大会は、三月二十三日から十二日間、阪神甲子園球場で開催される。本県からは桐生第一高が昨年の秋季関東大会ベスト4の活躍で、見事に選抜された。大いに期待したい。

 ところで、この「選抜」の選考方法が複雑で、今年も難航した地域があったと聞いている。出場校三十二校の内訳は一般選考二十八校、二十一世紀枠二校、明治神宮大会枠一校、希望枠一校である。

 二十一世紀枠は話題性とあるが、人によっては評価の分かれるところ。希望枠は全国九地区の補欠一位校から選ぶ。一般選考は関東(4)+東京(1)=6とあるが、これは( )の中を先に決めてから、六校目を両方から選ぶということで、一般の高校野球ファンには分かりにくい。

 また、選抜大会は新チーム結成後、日数が少なく、チームとしての完成度が低く、選手権大会と比べると、やや盛り上がりに欠けるところがある。野球ファンの目も肥えてきて、期待外れの試合が多くなれば、選手権大会にも大きく影響してくる。

 そこで、高校野球の一ファンとして、「ドリームチーム」を提案する。

 まず「選抜」の考え方は「学校」を選ぶのではなく、「選手」を選抜する。

 全国で頑張っている優秀な選手も、甲子園に出場しなければ、ファンは目の当たりにすることができない。

 そこで具体的には、秋の関東大会に出場した二チームを主体に選手二十二人(ベンチ入り十八人)を選出し、代表チームを編成する。選ばれた選手は約五カ月間、土・日曜日に代表チームに参加し、平日は自校で練習する。この選手たちには講習会的な内容も盛り込みながら育成し、リーダーとしての心構えや徹底した“心技体”の指導を行い、成長させる。

 すなわち、優秀な素質のある選手にさらに磨きをかけ、甲子園の舞台を踏ませるのである。

 甲子園解散後の選手は、自校で中心選手として、夏のチームづくりのために専念する。やがて、この選手たちは大学、社会人、プロを目指し、日本野球界のレベルアップにつながる(その先はオリンピックもメジャーもある)。

 メリットとしては(1)県民挙げて応援できる(2)進学校であれ、弱小校であれ、球児たちの甲子園出場のチャンスが広がる(3)野球留学が減る―等が挙げられる。

 問題はチーム数が増えるための日程についてだが、過去三月二十七日開幕という時代もあったことを思うと、現在の二十三日開幕になったことでコールドゲーム導入、ナイター使用と工夫し、選手の体調管理についても、ベンチ十八人の入れ替え自由とすれば、何とかクリアできるのではないか。

 選抜大会は個人の能力を高め、選手権大会ではチームワークの完成度を求める。

 教育とスポーツという観点からも、選抜大会と選手権大会をこのように位置づけたらどうだろう。

 学生野球に携わってきた者として、ドリームチームの実現は高校野球の発展と選手の育成、そして何よりも教育の一環としての高校野球の精神から逸脱するものではない、と確信している。

(上毛新聞 2004年2月19日掲載)