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「麺の里」両毛五市の会会長 小暮 高史さん(館林市本町)

【略歴】慶応大商学部、米ウィッテンバーグ大経済学部卒。館林うどん社長。全国乾麺協同組合連合会理事。麺めんのまち「うどんの里館林」振興会会長。

ねんりんピック


◎大会の真価はこれから

 先月十六日から十九日まで、県内二十三市町村で「第十七回全国健康福祉祭(通称・ねんりんピック)」が常陸宮殿下、妃殿下のご臨席を仰ぎ、「群馬発の応援歌」のテーマのもと、関東地方では初めて本県で開催されました。

 主催は厚生労働省、財団法人・長寿社会開発センター、群馬県がメーンで、各地の市町村、実行委員会がそれに加わりました。

 縁あって、将棋の会場となった館林市の実行委員会に参加させていただきましたので、裏方から大会を見ることができました。市役所の窓口は介護高齢課ですが、福祉部全体で対応しました。館林市は四、五年前に、将棋の駒作りで知られる山形県天童市と物産交流都市協定を結んでおり、この競技を主管する日本将棋連盟の武者野勝巳六段が館林出身ということもあって、将棋を担当することになったとのことです。

 また、当日の審判長の藤井猛九段のほか、副審判長の三浦弘行八段、桜井昇八段、関根紀代子女流四段、山田久美女流三段ら将棋連盟の棋士はすべて本県出身者で占められました。会場は城沼体育館で、参加者百八十九人が一斉に指す姿には圧倒されました。競技者の最高齢は八十五歳。実際には登録のみで出席されなかったようですが、八十歳以上の参加者三人が表彰されました。

 少ない人数で、通常の仕事をやりながらの準備は、はたから見ても大変でした。担当者は睡眠不足で目が充血するほどで、彼らの努力には本当に頭が下がる思いです。

 大成功に終わった将棋大会でしたが、強いて反省点を挙げるとすれば、PR不足という点でしょうか。例えば、駅前の横断幕は多分なかったと思います。当日、パンフが配布されましたが、刷り上がったのは二、三日前。市内に全戸配布されれば、市民の参加意識も高まったのではないでしょうか。観光パンフは選手たちに封入されてはいましたが、観光案内所は設置されませんでした。

 また、会場内は市福祉部らしく、布袋、パッチワーク製品が展示されてはいましたが、当地のPRの写真などは全くなし。役所の内部、つまり他の部、特に観光課との連携がとれていないようでした。

 せっかく館林市を全国にPRする良い機会だったのに、もったいない気がしました。

 ただ、この大会の真価が問われるのは、知事が閉会式で述べたように、今後のPR活動、市民、参加者の意識にかかるのではないでしょうか。過去においても、あかぎ国体、全国植樹祭、国民文化祭と五、六年おきに全県的な大会が開催されてきましたが、その後、競技人口が増えたとか、緑化が進んだとか、文化意識が高揚したとか聞かないからです。一過性のイベントに終わらせず、これをきっかけに将棋の愛好者やファンが増えることを期待するものです。

(上毛新聞 2004年11月6日掲載)