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常楽寺住職 本城 亮俊さん(太田市上田島町)

【略歴】群馬大教育学部第二部修了。小学校教諭、太田市教育史編さん委員。現在は同市書道連盟理事長、県書道協会理事などを務める。54年から常楽寺住職。

書を楽しむ者として


◎望みたい書・画の統一

 書道芸術の秋を彩る「県書道展」がきょう十日から開催される。今年は五十五回記念展という一つの節目を迎える展覧会となる。それにちなんで特別企画「近代名家100家展」も準備されている。

 近年、書を学び、書を楽しむ人々は大変増加している。なかでも中央、地方を問わず、女性が圧倒的に多い。県書道展においても同じで、公募される方々の多くは女性で占められ、受賞され、表彰台に立たれる方々も男性の姿は少ない。

 日本では、墨を用いた作品でも書の作品は書道展で、水墨の作品は水墨画展でと、互いに別々の集団を作ってきた。また、書の集団でも漢字、かな、近代詩文、墨象などと、それぞれのジャンルの集団に分かれて活動する傾向が強い。同じジャンルの集団でも会派同士が互いに対立したり、反目し合う光景さえ見られ、大変残念なことである。

 私が県書道展で「山崎記念特別賞」を受賞したとき、私の作品が経文に仏画を配したものであったためか、中央で活躍されておられた書家の方から「日本での書画一体の運動に参加しないか」と呼び掛けられ、この運動に参加してから、すでに二十年を超える年月を重ねてきた。

 最初、「日本書画振興協会」として活動を始め、平成十四年に飛躍的に組織が拡大し「国際書画連盟」と改名。今では毎年一月に東京・上野の都立美術館を主会場に公募展を開き、名古屋で中部展、大阪で関西展を開催するようになった。

 この展覧会には、書の単独作品はもとより、水墨画、書画一体の作品と、バラエティーに富んだ作品が一堂に飾られ、ほかの書展では見られない、楽しい展覧会となっている。

 書画の発祥の地・中国では、書画一体の作品を書かれる書家が多く、書画振興協会結成の年から中国を訪ね、中国書法家の方々との書画交流展を開いてきた。最近は中国展のほか、隔年にヨーロッパの国々を巡回、日本文化の紹介にも努めてきた。

 昨年は機会があって、イタリアのベローナの街で、作品展を開催した。全国から集められた百四十点余の作品で六月に国内展を開き、その作品を持って訪問団を組織し、私が団長として参加した。

 古い歴史と伝統のあるベローナの街は、全市が世界文化遺産に指定された大変美しい街で、作品展の会場もローマ時代に作られたアリーナ(円形野外劇場)正面の立派な建物であった。市が日本文化を紹介する「日本年」の取り組みの一つとして開催したもので、市の招待という大変恵まれた条件であった。初日は終日、墨、和紙、筆の話をし、作品を書いて日本文化の紹介に努めた。参加された方々も、ときには筆を持って楽しまれた。

 書を趣味として学び、楽しんできた者として、少しでも国際交流に参加できることは、このうえない喜びとともに、さまざまなジャンルの書道家との交流もまた楽しいものだった。

(上毛新聞 2004年11月10日掲載)