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「麺の里」両毛五市の会会長 小暮 高史さん(館林市本町)

【略歴】慶応大商学部、米ウィッテンバーグ大経済学部卒。館林うどん社長。全国乾麺協同組合連合会理事。麺めんのまち「うどんの里館林」振興会顧問。

両毛5市


◎合併へ鉄路を生かそう

 渡良瀬川で結ばれた東毛地区の三市、太田、桐生、館林に、お隣の栃木県足利、佐野の二市を合わせた地域を両毛五市といいます。

 その面積は千四十七平方キロ、人口は七十二万人(今月一日現在)です。この五市は古くから、生活、文化、経済圏を共有し、三十年前から青年会議所、市長会、市議会議長会、商工会議所会頭会等を開き、情報を交換し、共同で市場の設立について検討したり、東武鉄道の社長と沿線開発、地域の諸問題、路線について意見交換を毎年行っています。

 さらに、来年の三月に合併が予定されている大間々町、笠懸町、勢多東村によるみどり市、隣接の邑楽郡大泉、邑楽、千代田、板倉、明和の五町を加えた六市五町の面積は千三百八十八平方キロ、人口は八十七万人で、鳥取、島根、高知、徳島、佐賀各県を上回ります。群馬、栃木両県に占める割合は面積で11%ですが、人口では22%となります。

 この両毛地域の人口、面積は、今月一日に十四番目の政令都市になった静岡市の人口を凌駕(りょうが)し、人口密度(一平方キロ当たりの人口)も一一五上回る六八五となります。

 また、アクセス道路としては、国道50号が佐野、足利、太田、桐生各市を、他方、122号が明和町から館林市、邑楽町を経て、太田市で50号に接続します。そして、この東毛の一体感のキーポイントの一つにはこの五市、あるいは新しいみどり市を含む六市が東武鉄道、またはJRで結ばれているという点です。館林から佐野は東武佐野線で、佐野駅でJR両毛線に乗り換えれば足利を経て桐生まで行けます。

 JR桐生駅から東武の新桐生駅は多少離れ、四、五十分歩かなければなりませんが、新桐生駅からは、太田、足利、館林と電車一本で乗り換えなしで戻って来られます。また、太田から東小泉を経て館林へとつながっています。

 現在では、桐生でかなり歩かなければならないといのが難点ですが、東武桐生線とJR両毛線は桐生駅と岩宿駅のほぼ中間の地点で交差しているので、この地点か、わたらせ渓谷鉄道の下新田駅のすぐ隣にJRの新駅をつくれば五市は完全に結ばれます。次いで、JRと東武の相互乗り入れをすれば環状線になります。これは全国でも例のない五市の市内環状線で、市民の一体感を醸成させますし、PR効果も抜群です。

 平成の大合併は収束を迎えつつあります。

 補助金目当ての結合ではない、自治の拡大、自主独立の財源と運営、また経費節減をじっくりと検討するには今がチャンスではないでしょうか。既に参院選では北関東比例区という枠で行われていますし、県を越えた大合併も市民の強い意思があれば可能かと期待しています。その市内環状線を利用して学び、働き、遊ぶ時代が来るのを夢見ております。

(上毛新聞 2005年4月21日掲載)