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フラワービレッジ倉渕生産組合理事長 近藤 龍良さん(倉渕村水沼)

【略歴】愛知県出身。商社勤務の後、86年に家族で倉渕村に移住し農場を開設。フラワービレッジ倉渕生産組合理事長、NPO法人・日本園芸福祉普及協会専務理事。

「健康の駅」づくり


◎地域おこし施策に有効

 「健康日本21・健康増進法」が施行されて以来、予防医療に重点が置かれた施策がいろいろと実践されてきています。特に禁煙や分煙制度が各所で行き渡ってきて、愛煙家にとってはなかなかつらい現状になっています。また、転倒事故などによる寝たきりの状態を防止するための筋力トレーニングが介護保険に取り入れられて、要介護および低介護度の人たちに必須適用されています。

 健康増進法では、一次予防(生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病の発病を予防すること)に重点をおいた対策の推進とともに、その環境整備として休日、休暇の活用の促進を勧めています。従来の観光地、遊園地を忙しく訪れるレジャーでなく、ウオーキングや森林浴、園芸作業などのスローライフな余暇活動を行い、健康増進を図るということです。

 平成十五年、全国の首長会からの健康増進行政に関する提言で「健康の駅」の提案がなされました。これは自然環境や温泉、既存施設など地域資源を活用して健康増進の拠点づくりを行うものです。そのモデル事業として一昨年には倉渕村「健康の駅・園芸福祉の里」では園芸作業や森林浴、ウオーキングなどの体験プログラムを行い、60%近くの人たちが健康回復、増進につながったとの実証が得られています。

 また、市や町全体を「健康の駅」として位置付けした計画で、市民の健康増進策だけではなく、他よ所そからの観光客を呼び込むための事業として進めている所などもあります。長野県駒ヶ根市では市全体を健康の駅と位置付け、森林浴、ウオーキング、温泉療法、園芸福祉などのプログラムを組んで新しいツーリズムとして売り出しています。また、全体にスローライフ、スローフード、地産地消が中心の内容で地元農家の手作り郷土食や高齢者障害者の方でも参加できるウオーキングのサポート体制など、市民参加型の協働事業となっています。

 また、千葉県流山市では、千葉大学園芸学部と提携して園芸療法を事業の柱とした健康の駅が計画されています。植物や動物を介在させ、その自然治癒力を生かした健康増進法は園芸療法や動物療法等いろいろあり、また、山林や平地林を生かした森林セラピー、温泉療法等々、地域資源を活用すればわざわざお金をかけなくてもできる健康法があります。

 特に、わが群馬県においては貴重な自然資源が豊富にあり、それらを上手に活用して健康増進を目的とした地域おこしに結びつける施策は有効であると思います。既に地域の中では部分的な展開が見られるところもありますが、医学、医療チームによるヘルスチェックや健康相談、また、エビデンス(実証)等による科学的な根拠に基づいたデータの作成など、相互の連携を図りながら進めていくものと思います。

 そして、農産物等の直売所「道の駅」と併せて、健康が売り物の気楽に立ち寄れる「健康の駅」が各所にできていくのも楽しいものです。

(上毛新聞 2005年7月9日掲載)