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平方学園創世中等教育学校長 桜井 直紀さん(前橋市青梨子町)

【略歴】東京教育大卒。高校教諭、県教委青少年課長、学校指導課長、沼田女子高校長、高崎高校長を経て前橋市教育長。05年から現職。県子育連学術委員。

子供たちの支援


◎たたえたい若者の活躍

 九月に関東甲信越静地区子ども会育成会の研究協議会が本県で開催され、出席する機会を得た。開会行事の一つとして、子供たちによる和太鼓や八木節の演奏と踊りが行われた。また、研究協議の一つとしてシンポジウムがあり、高校生がジュニアリーダーとして子供の活動を幅広く支援しているとの説明をしていた。これからの社会を担う若い人たちの活躍に大きな感銘を受けた会議だった。

 いま、前橋市の児童文化センターでは中学生や高校生などが中心となり、小学生以下の子供たちと一緒にさまざまな遊びを作り出しているし、地域の子供の集いなどの行事では中学生が中心となって活躍している。また、青年会議所のメンバーは子供の活躍のためにさまざまな機会を提供している。多くの場面で若者が子供たちをリードし、活躍していることは、これからの社会を考える上で誠に力強いものである。

 子供たちの動きをみていると、自分なりに工夫しながら物事に取り組んでおり、言うなれば、事前の「おぜん立て」なしでも子供は子供なりに十分に活躍の場面を見いだし、満足感を持っている。子供の活動や行動は大人の目から見れば、「ああすれば」「こうすれば」と思うことは多い。しかし、ここは我慢をして子供に任せることを大切にしたいものである。

 考えてみれば、子供に限らず、大人であっても実際の行動や活動を通して多くのことを身に付けるものである。また、若者も子供と一緒になって活躍することにより、多くのものを学習し、自分自身のものとする。このことは、将来大人になったときの社会生活を進める上で大切であり、自分が親になったときの子育ての基盤をつくっているのである。知らず知らずのうちに、子供を育てる上で必要とされる親としての資質をつくっているわけである。

 この意味からも若者の活躍をもっとたたえ、盛んにしていくことには大きな意味がある。

 さて、ここで問題になるのは活動に伴う安全への配慮である。このことは子供を活躍させる上で極めて大切なことはもちろんである。しかし、これにとらわれすぎると、結果として何もできなくなってしまう。誰もが企画・準備・実施のすべての段階で常に安全への配慮には十分に気を使っているのであるが、残念なことであるが、このような中でも事故は起こってしまうこともある。

 だが、そのときの責任を常に負わされていては指導者はいなくなってしまうし、特に若い人にとっては酷なことである。子供の動きによっては、このようなときの責任は保護者にも負ってもらう時期にきている。全責任を主催者や当事者に課せている場合が多く見られるが、権利を先行させるのではなく、保護者の子供に対する責任を明確にすることにより、親は子に対する関心と視野を広げ、子は親に対する信頼を高めることにつながると思う。

(上毛新聞 2005年11月19日掲載)