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県環境アドバイザー連絡協議会代表 鈴木 克彬さん(富士見村石井)

【略歴】成城大卒。元ナカヨエンジニアリング社長。県環境アドバイザー連絡協議会代表、ぐんま日独協会事務局長、前橋市フォークダンス協会副会長。

ごみ問題


◎努力が報われなくては

 あなたの地域に「ごみの埋め立て処理場をつくらせてください」と他県等から申し入れがあった場合、あなたはどう反応されますか。即座に「反対」という発言、行動をとられると思う。また、ごみ焼却場建設の場合も同じで、この行動パターンは全国共通だと思う。

 しかし、ごみは皆さんの家庭から毎日出ている。そして、その量は一向に減らない。東京湾夢の島のごみ量増大、多摩日の出町の処理場建設、千葉県三番瀬干潟の消滅等、処理場に関するトラブルは全国で発生している。また、過去には、フィリピンに日本のごみが搬出され、国際問題になったことも記憶に新しい。ごみの処理場建設に反対なら、ごみの発生削減に努力する。それが人の道だと思う。

 私は県の環境アドバイザーの傍ら、ぐんま日独協会や前橋市フォークダンス協会の役員をしている。この関係から、家内と二人で個人的に度々、ドイツ等ヨーロッパ各国を訪問する機会がある。私はその際、日ごろからの関心事のごみ問題に関し、EU(欧州連合)各国はどのように取り組んでいるか、その姿勢、施策等を興味深く見てきた。今回はその概要を述べ、皆さんと一緒に考えてみたいと思う。

 ドイツへ行ってまず感じるのは、合理性という考え方が基本で、無駄を嫌うことだ。ドイツ人から私は「日本では、歯磨きのチューブがなぜ箱に入っているのか、箱は何に使うのか」「日本人からもらうお菓子のお土産は、食べるのに五回以上包みを開ける必要がある」「全体に過剰包装が多すぎる」と言われてしまった。

 確かにドイツでは、スーパー等で化石燃料を使ったプラ系のトレーは使われていない。果物・野菜類は売り場にはかりがあり、すべてバラ売りか、網袋入りとなっている。また、レジ袋はすべて有料で、ほとんどの消費者は、節約とごみを増やさないため自分の袋を持参する。

 そもそも一九八〇年代までは、ヨーロッパの各国でもごみ問題は重要課題であった。ごみ投棄による海洋汚染、酸性雨等による森林破壊、埋め立て処理場の確保難、ごみ処理に伴う財政負担増等の問題が各地で発生していた。

 そこで、ドイツを中心としたEU各国はごみの内訳を詳細に調べた。その結果、六割から七割が包装・容器ごみと分かったため、ドイツは、九一年に「包装容器の規制令」という法律を制定し、ごみの削減に本格的に取り組んだ。その対策の基本理念を「発生抑制」におき、具体的な方策は「供給者責任」と「有料化」の二本柱とした。その結果、ごみの発生量は激減し、日本の十分の一以下となった。

 一方、日本では、ほとんどの自治体のごみ収集は無料である。そのため、生ごみの堆肥化、リサイクル活動推進等ごみの減量に努力している人も、ごみを多く出す人も、皆同じように税金で処理される。私は「努力する人が報われる」という社会的仕組みがもっと必要で、そうでないと不公平と感じている。レジ袋の有料化も私は賛成である。三円でも五円でもよい。マイバッグやバスケットを持参した人、努力した人が得をするシステムがもっと必要だと思っている。

(上毛新聞 2005年12月20日掲載)