視点 オピニオン21
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はるなみずべ楽会会長 戸塚 歳男さん(榛名町高浜)

【略歴】高崎経済大卒。現像会社や写真のアシスタントを経て写真館を経営。その傍らカナディアンカヌーに魅せられ、水と自然にいやされる生活を送っている。

地域の活性化


◎踏み出すことで始まる

 高崎市から榛名町へ引っ越して約九年、キュウリにはとげがあって触ると痛いとか、野菜には苦味だけではなく甘味もある、といった驚きの発見が数々ありました。

 私の野菜嫌いは、苦味しか感じなかったことにその原因があったようですが、一種一種、おいしく食べられる数は増えています。

 おすそ分けでいただく自家用の野菜は、調理するまでに、ちょっとだけ余分に手がかかりますが、野菜の生命力までをも、いただいているおいしさが感じられます。

 少し時間があるときは、そば、うどん、パスタ、カステラ、ギョーザ(皮も具も)、シューマイなどなど、手づくりにチャレンジし、失敗しながらも徐々に上手になり、バリエーションも増えています。

 意外なことに、と言ったら失礼かもしれませんが、水が良質のために、お米もとてもおいしく、毎日、充実した食生活をさせていただいております。

 この地域に、変わり者の集まりがあるので入らないかと、お誘いがありました。「はるなまちづくりネット」という異業種の方々による地域づくり団体でした。

 二十年来の主要テーマ、ニューシートンバイリ(乳・椎・豚・梅・梨)を中心に、地域づくりに、まじめに取り組んでいる団体です。変わり者どころか、皆それぞれの業種で最先端をいくプロフェショナル集団です。

 毎月開かれているネットサロンでは、さまざまな議題、報告、情報が交換され、盛り上がっています。それぞれの職種で勉強し、試行錯誤し、実践してきている方々の議論は、毎回とても刺激的で、脳の細胞が活性するようです。現在、会員は約百五十人おりますが、協力できる方々で実行委員会を立ち上げ、起案し、実行してしまうバイタリティーは特筆すべきものと思います。

 現代社会が抱えるさまざまな問題の源として、無関心や個人と地域との関係の希薄さがありますが、地域の活動に自らの第一歩を踏み出すことで、解決の糸口が見えてきたり、新たな価値観が生まれたりします。初めの一歩を踏み出さないことには、何も始まりません。

 地域活動へ第一歩を踏み出し、多くの方々のご協力を得て、昨年夏に「榛名まちの駅プラネットのれん会」が立ち上がりました。まちの駅(全国で約四百五十カ所ある)を中心に、会を構成する二十一団体(店)がそれぞれ地域の情報を集め、連携して情報発信の拠点となろうという試みです。

 農産品、自然体験・体験農業、地場食品、観光、イベント、ミニギャラリー、花木や里見城跡など、一歩踏み出して得られる四季折々の情報をさまざまなアイテムを使って発信し、地域の活性化に向け、一歩でも前進できればと思っています。

(上毛新聞 2006年1月20日掲載)