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多野東部森林組合常勤理事 新井 和子さん(藤岡市本郷)

【略歴】藤岡女子高卒。会計主任、参事を経て03年6月から現職。県および全国森林組合職員連盟会長、県の土地利用審査会、公害審査会、環境審議会各委員。


県林業女性会議

◎山村の活性化担いたい

 森林・林業を支える山村社会の活力低下や、林業従事者の減少・高齢化が進行しています。そうした中で、女性の地位向上と社会活動への参画を図り、女性の視点を生かした女性による地域活動や生産活動を積極的に進め、山村や林業の活性化を図ろうと、平成七年七月に県女性林業グループ連絡協議会が設立されました。

 同協議会は県椎茸農協婦人部、県林業研究グループの会員の妻、県森林組合職員連盟の女子部、二地区の林業女性グループ、営林局(当時)女性技官、県の女性林業技術職員と、地域振興の活動家一人が加わって組織されました。
 
その年に、各県持ち回りで実施されていた女性森林フォーラムが本県で開催され、当会は実行委員として、このフォーラムの企画から実行まで、さらにはパネルディスカッションのコーディネーターとパネリストのほとんどを会員が担当。全国からの参加者に群馬の女性の実力を十分に証明することができました。

 また、平成十年の第四十九回全国植樹祭の前日に開催された全国林業後継者大会においても、男性中心の団体が多い中で、本県の女性の存在を強く印象付けることができました。このような大会を成功させることによって、各会員は業種や地域の違いがあっても、培われた連帯感によって協力し合い、協議会の活動を活発にしていきました。

 九年に全国林業女性会議が発足したことも契機となり、十一年に名称を県林業女性会議(通称・萌木(もえぎ)の会)と改めることにしました。林業関係団体の女性だけではなく、森林や自然環境に関心があり、会の趣旨に賛同する女性が個人で自由に参加できる組織として再出発しました。私は県森林組合職員連盟の女子部として参加してきましたが、引き続き、当会のメンバーとして協力しています。

 設立以来、私たちは女性にとって住みやすい魅力ある山村・農林業を創造することを主目的に、積極的に活動を続けています。国や県などの主催で開かれる各種イベントへの参加や、他業界からの講演依頼にも積極的に応じるなど、山村・農林業の理解促進に努めています。

 また、県内各地域の特産品や会員の手作り品をカタログで紹介し、「萌木の宅配便」でお届けする活動は、固定客がつくなど好評です。北は青森県から南は鹿児島県まで広がりを見せており、消費者と交流を図るよい機会になっています。地域貢献として道路、小川のごみ拾いや下草刈りなど自然環境を守る活動にも取り組んでいます。このように、県内各地域の女性たちが連携しながら、女性の地位向上につながる活動を展開しています。

 女性は、山村生活の持続や農林業の管理者・生産者として重要な役割を果たしています。今後も女性の持っている能力を十分に発揮し、山村や林業の活性化に努め、女性がそれぞれの地域で生き生きと生活できるよう、女性独自の活動を続けていきたい、と思っています。












(上毛新聞 2006年5月7日掲載)