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環境カウンセラー 片亀 光さん(玉村町上新田)

【略歴】筑波大卒。環境評価機構代表取締役。高崎経済大非常勤講師。環境カウンセラー全国連合会常務理事。エコアクション21審査人。省エネルギー普及指導員。


夏場のエコライフ

◎省エネと節水で「貯金」

 ただでさえ蒸し暑い日本の夏が、地球温暖化とヒートアイランド現象で年々暑くなっている。クールビズもよいが、根本的な対策は日射を遮ることである。

 日中、外から自宅に入ると涼しく感じる。窓だけでなく、玄関や勝手口にも網戸をつけて風通しを良くしてあるので、室温は外気温より三度前後低く、扇風機だけで十分である。

 一般に、窓は日射の入り口にもなるので、そのままでは逆に室温上昇を招くため、遮光することが必要である。中部電力や東京・板橋区立第七小学校での調査データによると、緑のカーテン(つる性植物による日よけ)で遮光した場合と直射日光が差し込んでいる場合とでは、室温に一〇〜一一度もの温度差が生じるという。

 夏の太陽は高い位置にあるため、南側はわずかなひさしや軒で遮ることができるが、東西は入射角が低いので、部屋の奥まで差し込んでくる。わが家では東側によしず、西側にはすだれを掛けている。どちらも日射は遮りつつ、風は通してくれる。

 実際には、遮光対策をせずにエアコンだけに頼っているケースも珍しくないが、明るさは多少犠牲にしても、ブラインドやカーテンで遮光することをお勧めしたい。

 ちなみに、わが家の電力消費量は一九九七年八月には三百四十二キロワット時で料金が約八千円だったが、昨年八月には二百五十六キロワット時で五千二百円となり、消費量で25%、金額で35%削減できた。こうした積み重ねにより、昨年末までの八年間で十五万円以上節約できた。

 夏場は電気とともに水の使用量も増加するので、節水にも心掛けたい。これもわが家の例だが、九七年七月には四七・五立方メートルだったが、昨年七月は三〇立方メートルと使用量で36・8%も削減した。その間約一割の値上げがあったが、上下水道料金は九千四百十一円から六千五百五円へと金額でも30・9%削減できた。八年間の節約額を累計すると、電気代とほぼ同額の十五万円となる。洗濯への風呂水利用とすすぎ回数短縮の工夫、トイレ水洗水の節約等の積み重ねによる。

 今後、ドラム式洗濯機や食器洗い乾燥機などを導入すれば、一層の削減が期待できる。また先日、日曜大工で廃止浄化槽を雨水タンクに転用したところ、水質も良好であることが確認できたので、庭の散水はもとより、洗車等にも活用してさらに節水を進めたい。

 また、夏場は朝のうちに風呂に水を張っておくと夕方までに五度前後、水温が上昇するので、一カ月で三リットル程度の灯油が節約できる。

 さらに、わが家では健康維持も兼ねて自転車利用を進めており、夫婦合わせて年間三千五百キロほど走行している。これをガソリン代に換算すると約四万円になる。

 このように、エコライフのエコはエコノミーにも通じる。やせ我慢や難しいことをしているわけではなく、ちょっとした工夫と努力を自然体で楽しみながら続けているうちに「エコ貯金」がたまっていくのである。






(上毛新聞 2006年6月30日掲載)