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吉井町中央公民館社会教育指導員 古井戸 寿郎さん(吉井町吉井川)

【略歴】中央大法学部卒。吉井多胡小、入野中、西小の校長などを経て、2002年から現職。日本陸連公認審判委員、群馬陸協理事、県教育コーディネーター。

生涯学習の拠点施設

◎男性はもっと活用して

 「人生八十年」といわれてから久しい。今や日本は世界に冠たる長寿国となった。平均寿命を見ると女性が八十六歳と、男性の七十九歳を上回っている。また、人口減少時代に突入し、世はまさに少子高齢社会となっているのも事実。行政には、このような社会において青少年から高齢者まで、それぞれが元気に豊かな生活を送れるよう生涯学習の機会や場を提供することが求められている。

 生涯学習は、誰もが・いつでも・自主的に学習できることが基本となる。

 私の住む吉井町は平成七年にいち早く「生涯学習都市宣言」をして、県内では生涯学習の取り組みが早い市町村の一つとなっている。町は「住民一人一人が生涯学習の主人公である」ことを生涯学習の基本とし、「住民が主体的に行う学習活動を行政が積極的に支援することにより、住民と行政が一体となった生涯学習の推進を図る」を大きなねらいの一つに据えている。また、その達成に努め、時代の要請や住民のニーズに応える施策を講じている。

 私は、町の中央公民館の社会教育指導員として、そのねらいを達成するため全力で取り組んでいる一人だが、ここで、生涯学習の拠点となる公民館の役割について述べてみたい。

 公民館は地域の社会教育の中心として、主催講座を幅広く開き、町民の文化・教養の向上のために大きな役割を果たしている。また、カルチャースクールとしての役目にとどまらず、趣味を一にする団体の活動や住民の地域づくり、仲間づくり等々のため幅広く利用されている。

 そこは文字どおり、子供から大人まで、それぞれが楽しく自由に活動できる場となっている。その活動が人間としての高まりにもなり、利用者相互の向上にも大きな役割を果たしている。利用者も多く、公民館の存在価値を十分に発揮しており、社会教育指導員としてうれしい限りだ。

 ただ、一般的傾向として、公民館や社会教育施設の利用者を見ると、子供も大人も、女性に比べ男性の方が少ないように見受けられる。特に、中高年の利用者にあっては、その傾向が顕著となっている。

 どこかの国の言葉で「亭主元気で留守がいい」というのがあるようだが、これは家庭の奥さま方の願いを表しているに違いない。そこで提案だが、このような女性の願いをかなえるためにも、男性が外に出て、社会教育施設や公民館を積極的に活用し、仲間を増やしたり、自己の教養を高めながら健康増進を図ったらどうだろうか。

 これにより、心身ともに健康になり、男性の寿命も延びて、女性の平均寿命にも近づくようになると思う。






(上毛新聞 2006年12月13日掲載)