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NPO法人DNA代表アドバイザー 渡辺 大輔さん(富岡市妙義町)

【略歴】高崎経済大卒、同大大学院地域政策研究科在籍。DNAの中心メンバーとして若者の就業支援やキャリア支援、地域活性化にかかわる事業に取り組んでいる。

若者の社会活動支援

◎地域の活性化へ4事業

 今回は、私が深くかかわっているNPO法人DNA(DesignNet−worksAssociation)の取り組みについて紹介するとともに、若者の地域・社会活動参画の意義をあらためて問い直したい。DNAは以下の四つの事業を柱に、若者の社会活動支援を通して「まちづくり・ひとづくり」を行っている。

 一つ目はジョブ・カフェ事業(若者による、若者のための就業支援)で、ジョブカフェぐんま高崎センターの運営を通して若者の就業支援を行うとともに、交流の場として「たまり場」的機能を果たせるような拠点づくりを進めている。具体的には、(1)アテンダント(受け付け・サービス案内)業務(2)コミュニケーションセミナーやジョブカフェ広報・イベント等の企画・運営業務(3)フリーペーパー編集・発行を中心とした広報業務―の三つを中心に行っている。年齢も近く、自分のことのように真剣にサービスできるのが長所で、若者が利用しやすい雰囲気づくりに努めている。

 二つ目はキャンワーク事業(若者による、若者のための能力開発)で、本県に所縁のある社会人を取材し、働くことの意義や楽しさ、若者へのメッセージ等をウェブから発信している。毎年約四十人の社会人を取材、二〇〇一年から始め、現在約二百五十人の方を取材した。さらに、産学官民の連携により、毎年五月に七大学・短大約八十人の学生スタッフで実行委員会を組織し、半年の準備を経て、十一月の勤労感謝の日前後に三百人規模の「働くこと」を考えるシンポジウムを開催している。

 三つ目はラジ・コム事業(若者による、若者のための情報発信)で、学生の自主企画による三十分ラジオ番組制作を通して、コミュニティーメディアを軸としたまちづくりを進めている。毎月第一・三週の月曜日にラジオ高崎から放送。ラジ・コムでの取材を通して、初めて地域・地元の魅力を知り、地域への愛着心が芽生える学生も多い。

 四つ目はまちづくり事業(若者による、若者のための地域・社会とのかかわり創造)で、中心商店街の活性化イベントへの参画、タウンウオッチング・まちづくりワークショップ等を踏まえた地域づくりへの提言等を通して、地域活性化に取り組んでいる。本年度は新規イベントとして、学生が地域の方をもてなすコンセプトの「Wa(和・輪)コード=若人」というイベントを高崎もてなし広場で開催した。

 そのほか、「若者の人間力を高めるための国民運動」への参画とともに、全国の若者キャリア支援・地域活性化に取り組む若者団体を一堂に会したサミットを京都と群馬で開催。また、学生の地域・社会貢献活動を支援し、その活動を英語で発表するビジネスコンテスト=SIFE(StudentsInFreeEnterprise)にも参加している。SIFEではDNAの活動を紹介し、〇五年、〇六年の国内大会で優勝。約五十カ国が参加する国際大会に日本代表として二年連続出場し、本県各地域の魅力とDNAの取り組みを、世界に向け発信している。






(上毛新聞 2007年1月24日掲載)