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吉井町中央公民館社会教育指導員 古井戸 寿郎(吉井町吉井川)

【略歴】 中央大法学部卒。吉井多胡小、入野中、西小の校長などを経て、2002年から現職。日本陸連公認審判委員、群馬陸協理事、県教育コーディネーター。

陸上王国

◎駅伝選手の活躍に誇り

 駅伝における群馬県チーム、選手の活躍は「すごい」の一語に尽きる。人気の原動力となるものは何か。それは、見る人に与える感動だ。

 ここで、皆さんとともに、群馬県チームや選手の活躍場面のいくつかを振り返ってみたい。まず、昨年十一月の東日本女子駅伝大会で、十六年ぶりに群馬が優勝。十二月の全国中学駅伝では、男子は吉岡中が十八位、女子は中之条中が十六位。全日本実業団対抗女子駅伝では、ヤマダ電機が十七位。全国高校駅伝で、男子は中之条高が二十二位。女子は常磐高が三年連続上位入賞となる四位。常磐高の選手は、全選手が県内の中学校出身者である。

 ちなみに、全国大会の上位入賞校は、外国からの留学生や県外出身の選手を多く起用している。このことから常磐高の選手の努力と練習による実力を推し量ることができる。あらためて、快挙を讃たたえたい。

 駅伝日本一を決める元日のニューイヤー駅伝。群馬県で開催二十年目となり、地元チーム(SUBARU)をはじめ群馬県出身選手が活躍したことは、テレビの画面や沿道での観戦でご覧の通り。二日、三日の箱根駅伝では、本県出身選手九人が出場、大活躍。優勝チーム順天堂大の二区を走り、優勝の立役者の一人となった小野裕幸選手(前橋育英高出身)。東洋大の八区を走り区間賞の北島寿典選手(中央高出身)。亜細亜大の主将・岡田晃選手(高崎北高出身)。国学院大の主将・竹下大亮選手(伊勢崎東高出身)ら優秀選手がめじろ押し。群馬陸上界の宝的存在だ。さらなる活躍を期待したい。

 都道府県対抗駅伝では、女子が五位。男子八位。ダブル入賞だ。男女ともに入賞に輝いたのは兵庫、長崎、熊本、群馬の四県のみ。このことから、群馬県チームの実力が日本で上位にあることが容易に分かる。県民こぞって、駅伝群馬の自信と誇りを持ちたい。この都道府県対抗駅伝は中学生、高校生、大学生(社会人)らメンバーの構成上、規定がある。群馬は、バランスが良く取れたチームで入賞できた。このことは陸上競技に関係する小体研、中体連、高体連、大学、実業団などの連携が良いことの証しになる。

 私ごとになるが、五八国体を頂点とした「陸上王国群馬」を維持するため、他県に先駆け中体連に女子駅伝を導入し、さらに、平成の初めに小学生クラブ対抗駅伝の創設にも携わった。

 今シーズンの駅伝大会で活躍している選手の中に、小学生や中学生の時に、それぞれの大会を経験した選手が非常に多く、個人的にうれしい限りの状況となっている。さらに、各駅伝大会で大活躍している群馬の選手を見るにつけ「陸上王国」群馬の復活を確信し、大きく期待を膨らませている。






(上毛新聞 2007年2月23日掲載)