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県社会教育委員 永田 真子(吉岡町下野田)

【略歴】 公文式教室指導者。地域の子供に本の読み聞かせなどを指導するボランティアグループ「ねこの手VG」の事務局を務める。昨年6月から県社会教育委員。

家庭の教育

◎子供と真剣に向き合う

 赤ちゃんのころの面影が残るわが子たちの寝顔をそっと眺めると、無防備なその姿に、ついほおずりをしたり、抱きしめたりしたくなります。子育ての時間は、あっという間に過ぎていき、小さいころは黙っていても「ママ」と抱きついてきてくれたわが子たちも、今では自分の考えを持ち、大人の会話に加われるようになりました。思春期に入り、大人と子供の間を行ったり来たりする表情を見つめながら、親として、大人としての在り方を問われているように思います。

 テレビのニュースでは、年金問題に端を発して、食品の偽装表示、責任のなすりあいなど、愚かな大人のお手本が映し出されています。ばれなければ何をしてもかまわない、ばれたら開き直りや逆切れなど、子供にはあまり見せたくない、聞かせたくないと思うような情報が、次から次へと流出しています。 

 また、幼児虐待や育児放棄、家族間の殺人など「家庭」という小さな社会が崩壊しつつある事件も後を絶ちません。どこにでもある、ごく普通の家庭で、何かが狂い、何かが崩れていくケースも増えているようです。

 「オギャー」と産声をあげて生まれたときから、心が荒すさんでいる赤ちゃんは存在しないでしょう。親はもちろん、周りの人の働きかけや影響で、人は成長とともに、善くも悪くも変わっていく。そう考えると、忌まわしい事件を知るたびに、人間の深さや未完成な部分を垣間見るような気がします。

 私は、真っすぐに生きてほしいという親の願いから、真実の真、「真子」と名づけられました。名は体を表すというように、ばか正直な大人になりました。そのせいで、しんどい時もありますが、人の心の痛みが分かる情け深い人や信念を持った人との縁に恵まれ、その人たちとのふれあいの中で、私自身も成長させてもらっていると感じています。

 「真面目(まじめ)に一生懸命生きていれば、必ず見てくれる人がいる。誠実な大人になりなさい。迷ったら、正しいことか、そうでないことかをよく考えてね。やったらやりかえすという行為は、自分の心を醜くするだけ。人にされて嫌だなと思ったことは、絶対に人にしてはいけない」など、私は自分の親から学んだことをわが子たちに伝え続けています。

 子供は今の社会を映し出す鏡です。純粋な目で、世の中の大人たちをじっと観察しています。毎日流れる忌まわしいニュースから、子供たちはいったい何を感じ、大人になっていくのでしょう。ニュースを通じ「明日はわが身」「人のふり見てわがふり直せ」という意識をしっかりと持ち、もっと真剣に子供たちと向き合い、大切なことを言葉にして伝え続ける必要があるのではないでしょうか。

 親(自分)が変われば、子(相手)も変わる。私は、親として、大人として、この言葉を常に心の中で問い続けています。そして、広い視野を持ち、さまざまな視点で物事を考えられる親(大人)でありたいと思います。






(上毛新聞 2007年7月24日掲載)