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群馬県民球団設立準備委員会副代表 堀口 芳明(高崎市飯玉町)

【略歴】 中央大法学部卒。都内の広告代理店勤務を経て株式会社堀口社長、ラジオ高崎取締役。市民参加型の舞台「高崎大田楽」実行委員長、高崎女高PTA副会長。

本県初のプロ球団

◎おらがチームにしたい

 「本県にプロ球団」

 昨年六月十九日付の本紙一面トップにこの大見出しが躍り、今春のスタートを報じてから、早いものでもう半年余りがたつ。

 この間、新聞報道に追いかけられるように、球団名が決まり、マークやマスコットが決まり、監督・コーチ・選手が決まり、球団としての体裁がほぼ整った。

 わずかな期間でここまで来られたのも、ひとえに県内の野球関係者の方々、報道機関各位、行政に携わる方々、そして何より私たちの球団の誕生を、心から喜んでくれた一人一人の野球ファンの皆さんのおかげだと思っている。

 われわれが所属するBC(ベースボールチャレンジ)リーグは、四国アイランドリーグに次ぎ、わが国で二番目に誕生したプロ野球独立リーグであり、昨年四月に石川、富山、新潟、長野の四県の球団によりスタートした。十月までの週末を中心に、それぞれの球団がホームゲーム三十六試合、ビジターゲーム三十六試合の合計七十二試合ずつを戦い抜き、石川球団がリーグ初の覇者となった。この四球団に、われわれ群馬県球団と、福井県球団が加わり、新年度は六球団でのリーグ戦となる。

 リーグの運営理念が、「野球事業を通じて」の地域活性であり、健全な青少年の育成であるように、われわれもシーズンを通じて、県民の皆さんから「おらがチーム」と感じてもらえるような球団像を目指す。

 例えば、ホームゲームは県内の六―七球場で行い、それぞれの球場の近くにお住まいの方々に直接球場に足を運んでいただける機会を増やす。県内各地の少年野球チームと触れ合う機会を積極的に設け、少年たちの技術向上のお手伝いをさせていただく。地域のイベントなどにも可能な限り積極的に参加し、県民球団として皆さんに愛され、親しまれることを目指す。

 野球人気の凋落(ちょうらく)が叫ばれて久しいが、どっこい群馬の野球はしたたかに底辺を広げ続けている。われわれが知り得ているだけでも、何らかの形でユニホームを着てプレーをしている野球人口は、四万人強。チーム数は二千に達する。これは、生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで含めた県内男性の二十五人に一人が、かかわりの濃淡は別にしても、実際にプレーヤーとして野球を楽しんでいることになる。

 これに、プレーこそしないが、「観戦」「応援」という楽しみを知っている人を加えると、手前みそを承知で申し上げれば、やはり野球こそ県民に広く支持されているスポーツなのではないだろうか。

 群馬ダイヤモンドペガサスの誕生が、県民の郷土愛を些(いささ)かなりとも刺激し、単に野球に留(とど)まらず、県内のスポーツシーン全般を盛り上げることができると信じ、四月十九日の開幕戦を迎えるまで、もうひと頑張りしなくては、と自らを奮い立たせるのだ。






(上毛新聞 2008年1月1日掲載)