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リージェンシーグループ代表  長谷川 清美(東京都渋谷区)



【略歴】】館林市出身。大手旅行社を経てヨーロッパ専門旅行会社「リージェンシーグループ」を設立。海外挙式にも着手、現在十数カ国での日本人挙式をコーディネート。


海外での日本人


◎きちんとした言動を



 二〇〇九年元旦、館林は快晴。地元の神社に初詣でに出かけ「二礼二拍手一礼」。

 神社での参拝方法はみな同じと思いきや、出雲大社(島根)や宇佐八幡宮(大分)は、「二礼四拍手一礼」と聞き、神社によってお参り方法もいろいろあることを知りました。同じ国の神社という分類一つをとっても、その作法はいろいろあるわけですから、国も違い宗教も異なれば、その礼儀作法はさまざまです。

 私が仕事柄よく訪問するヨーロッパの場合、歴史的な建造物のほとんどが「○○寺院」「△△教会」となります。長い歴史をもった町の教会は世界遺産に指定されたり、観光名所になっており、世界中からの観光客で賑(にぎ)わっています。

 最近、そうした場所への見学時、礼儀作法以前の問題をしばしば感じることがあります。確かにパリのノートルダム寺院はバラ窓と呼ばれるステンドグラスが素晴しく、その美しさに「ワー! すごーい」という感嘆の声が出るのも当然です。しかしながら引き続き大きな声でおしゃべりをする人。ミラノのサンタマリア・デッレ・グラツィエ教会のレオナルド・ダビンチ作品「最後の晩餐」の前では、フラッシュ禁止となっているにもかかわらず、係員に注意されるまでフラッシュ撮影を続ける人…。

 夏のツアーでは女性がタンクトップにショートパンツで肌の露出があまりに多く、ローマのバチカン大寺院では入場を注意されたこともあります。地元の人々にとって教会は神聖な場所であり、心のよりどころになっているわけで、それなりの服装と礼儀は当然必要だと思います。

 これは日本でも通じるところがあると思うのですが、どうも海外旅行、しかも観光となると開放的になるからでしょうか。礼儀作法というより常識を疑う行為や、あまりにも自己中心的に行動する人が多くなったように思われます。

 昨年大きく報道された女子短大生によるフィレンツェ・ドゥオモ(大聖堂)のいたずら書き事件、これもその顕著な例だと思います。実はフィレンツェに限らず、スイス・アルプスでも日本語の落書きを見ましたし、某テレビ番組によると万里の長城やエジプトのピラミッドにも落書きはあるそうです。

 旅の恥はかきすて、という言葉がありますが、最近ではその言葉を拡大解釈しすぎているように思われます。

 また、日本人特有の曖昧(あいまい)な態度も改めたい点です。なにか問われた時に、ニコニコ笑ってごまかし、はっきりした返事や態度をとらない人が多いようです。わからなければ聞き返したり、きちんと断ったり、恥ずかしがらず自分の意思をはっきり伝える姿勢も必要だと思います。





(上毛新聞 2009年1月28日掲載)