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日本愛妻家協会事務局長  山名 清隆(神奈川県川崎市)




【略歴】静岡県出身。広報企画会社「スコップ」代表。褒める気持ちで首都高の事故を減らす計画や、嬬恋村でイベント“キャベチュー”を行う日本愛妻家協会などを企画。


コンパクト叫び台計画



◎夫婦間のロマンスに




 今、愛妻家協会では前人未到の商品開発プロジェクトが進んでいます。その名も「コンパクト叫び台開発計画」。嬬恋村の「愛妻の丘」に完成した世界ただひとつの妻専用叫び台の、いつでも使える家庭用バージョンです。

 「愛妻の丘」の叫び台は毎年9月に行われる「キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶ」(キャベチュー)の舞台です。かつてこの地で日本武尊が「わが妻恋し」と叫んだという歴史が現代の男たちのちょっと硬くなったこころを溶かすのでしょうか。不思議なことにここに立つと男たちはなぜかミエやテレや世間体を脱ぎ捨て、素直に今まで言えなかった妻への愛を叫ぶのです。「家庭用コンパクト叫び台」はそんな機能が家庭でも発揮されることを想定しています。大きさはマナ板くらい、高さは遠慮の5センチ、冷蔵庫のすき間にしまえる収納便利な折り畳み機能付きです。普段の夫婦関係の中で謝罪および感謝の表現の不足を感じたとき役立つことを願っています。

 使い方は、台を床に置いて奥さん方向に照準を合わせます。呼吸を整えたのちそれに乗って謝罪および感謝の言葉を思い切って叫びます。距離は2メートル以内。使用時間はおおむね1分。声量は適度に。叫んだ後の対応にはそれぞれですが、取扱説明書があったほうがよさそうだと思っています。パッケージにはこんなコピーが書かれます。「男の素直さ回復、見栄照れ建前除去、愛情表現力強化、夫婦関係改善。一家に一台、いざというとき、こころを開いて、ふたりで笑う、魔法の叫び台」。うーむこれは欲しくなる。こんな話をしていたら、先日「いつ発売するのか」という問い合わせがあって、これはいけるかもしれないという手応えをつかんでいるわけです。

 本気でこんなことを考えているのが愛妻家協会の活動です。恋人はロマンスですが、夫婦はそもそもシリアスです。だから夫婦の間に時々ちょっと笑えるロマンスのネタを作り出せたらすてきだなあと思うのです。

 それから「2泊3日愛妻力強化合宿」という企画があります。こちらはずいぶん前から温めていますが今も構想中です。カリキュラムは(1)妻ごころ・女ごころ概論(2)感謝される家事のこなし方(3)妻と楽しむ買い物術(4)うまくいく夫婦旅行計画の立て方(5)照れずに手をつないで歩く方法―という感じです。レクチャーとワークショップと社会実習と観光を組み合わせたプログラムにしようと思っています。ウチの夫をぜひという奥さま方から強い要望があります。それとカリキュラム作りに参加したいという若い男女が多いのが不思議です。この企画は結婚歴の長いだんなさん向けではなく、若い未婚の男女の婚活企画にしたほうがよさそうですね。




(上毛新聞 2009年6月13日掲載)