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元県中体連卓球部委員長  田村 眀人(前橋市竜蔵寺町)




【略歴】群馬大学芸学部(現教育学部)卒。1966年に赴任した沼田中学校から卓球指導にあたる。県中体連卓球部委員長、関東中体連卓球部運営委員長などを歴任。


スポーツ庁設置の提言



◎「省」とし、強力な支援を




 過日、政府の教育再生懇談会がスポーツ庁設置の報告書を提出した。しかし日本の現状をみると、経済大国なのに、プロのスポーツ選手以外はオリンピック等でメダルを獲得しても一時的な称賛だけで、選手や指導者に「生活の保障」がなく、まことに残念である。

 しかも、他の先進国と比べて日本はメダルの獲得数が少なく、さらに世界的な不況で、企業スポーツの休部や廃部が相次ぎ、スポーツ界は大ピンチである。

 そして、日本は地下資源やエネルギー、食料などが乏しいため輸入が頼りなだけに、地球温暖化による農作物の不作で食料等の輸入がピンチの時には外国から「尊敬」と「感謝」をされていることが極めて大事なことである。

 したがって、スポーツ庁でなく「省」に格上げし、次のような施策を講じ、支援の努力をすべきである。それにより、世の中に元気や活気をもたらし、国際貢献による国益にもプラスとなるはずだ。

 まず、オリンピックや国際大会で活躍したトップアスリートは、子どもたちや青少年に「夢」や「希望」を与えるだけに、オリンピックや世界選手権などでの活躍を目指す選手や指導者への強力な「支援体制」を確立すべきである。次に、第一線を退いた選手や指導者を、全国各地に「スポーツ指導員」として雇用し、配置する「生活保障」のシステムの構築が、必要である。その上で、児童生徒の体力づくりと健全育成のために、中学や高校の部活動および地域のスポーツ少年団などに対して、技術面だけでなく礼儀やマナー、ルールや約束の順守など「人づくり」のための指導が重要である。

 さらに、パラリンピックで活躍した選手を「心の教育」親善大使として、小・中・高校に派遣すれば、身障者の雇用と同時に、「健全育成」の効果が十分期待でき、一石二鳥である。

 また、高齢化社会だけに、お年寄りがスポーツを気軽に楽しめる環境整備や支援により、元気や活気を再生できれば、介護と医療現場の負担軽減だけでなく、「医療費削減」にも効果が期待できる。

 特に、諸外国の子どもたちや青少年等に、スポーツ用具の提供や施設設備の充実支援と同時に、スポーツ指導員を「親善大使」として派遣し、スポーツの良さを伝授する「スポーツ外交」の努力が、諸外国から感謝される原点であり、国益に直結である。

 スポーツは、次の世代を担う子どもたちや青少年に「夢」や「希望」や「目標」を与え、健全育成に最適である。また、高齢者の「活気」や「元気」を再生し、雇用の創出や国際貢献により世の中を明るくする。それだけに「スポーツ省」の設置は最も重要なことである。





(上毛新聞 2009年7月13日掲載)