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沖縄料理研究家 高山 厚子(東京都練馬区)




【略歴】沖縄県出身。琉球大卒。都内の小学校長を経て現在、三鷹市教委非常勤。料理をテーマに執筆、講演。館林市とも交流。著書は『緑のカーテンの恵みを食べよう』。



ゴーヤー料理



◎群馬産で夏を元気に




 暑い夏到来。前橋や館林の高気温がテレビ等で話題になるこのごろ、練馬でも群馬産のゴーヤーが出回るようになりました。群馬は今、全国でも有数のゴーヤーの産地となっています。

 ゴーヤーの苦味(モモルデシン)成分は、肝臓に優しく胃腸を刺激し食欲増進に効果があります。「たまらんわ~この苦さ」で全国的な人気野菜になっているのです。その上、レモンの1・5倍のビタミンCを含み、加熱しても失われないのが大きな特徴です。地元・群馬産のゴーヤーをたくさん食べてこの夏を元気に過ごしてほしいものです。そこで今日は、私の料理教室の人気メニューをいくつか紹介しましょう。

 一番の人気は、まるごとゴーヤー天ぷらです。丸く切り、わたも種も一緒に揚げます。あるいは、わたそのものや葉も種もカラッと揚げた天ぷらは、老若男女問わず評判が高い。「えっ、葉っぱもわたも食べられるの?」とびっくりする方が、「これはおいしい」と食べて納得します。シソの青葉の天ぷら感覚で揚げてみてください。葉はゴーヤーの産地ならいくらでも手に入ることでしょう。栽培農家のみなさん、青葉のように20枚束ねてスーパーで販売してみたらいかがでしょう。揚げ方は簡単。水と塩、館林にある製粉会社から出しているカラッと揚がる小麦粉を混ぜるだけです。その他、ゴーヤーのちらし寿司(ずし)、ゴーヤーのミルクゼリー、ゴーヤーカルピスなども人気です。赤く熟したものもジュースやゼリーにするといいですね。生でサラダやおひたしにしてもおいしいです。ゴーヤー料理はまだまだ奥が深い。

 群馬の農家のみなさん、もう一つ、市場へ出荷してほしいものに「ヘチマ」があります。「えっ、ヘチマ食べられるの?」と多くの人が驚かれますが、ヘチマはゴーヤーと並んで沖縄を代表する夏野菜の王様です。低カロリーで、ミネラルやビタミンを豊富に含み、美容や肥満や糖尿などの人にもいいのです。95%以上の水分を含みますが、その水分が甘く柔らかいので、お年寄りから子どもまで人気です。実の先に花がついている2週間前後の若いヘチマなら種類を問わずどれも食べられます。みそ炒いためが定番ですが、マヨネーズやゴマドレッシングであえた生も大変な人気です。

 ところが「どこで売っているの?」と言われるのが悩み。市場に出回っていないのが現状です。九州では、すでに町の重要農産物として売り出そうと関係者が動きだしております。フードマイレージを考慮すると、巨大市場の東京に近い群馬の方がもっと有利な条件のはずです。みなさん、私と一緒にヘチマをおいしい食材として全国へ広めませんか。今月末には館林市でゴーヤー・ヘチマの料理教室を開催します。





(上毛新聞 2009年8月5日掲載)