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◎総合力で夢を実現 今月11日、群馬ダイヤモンドペガサスは北陸地区覇者の石川ミリオンスターズを破り、球団設立２年で、念願の２００９年度ＢＣリーグチャンピオンとなった。球団を支えてくださった、ファンの皆さまや関係各位に改めて感謝を申し上げたい。秦監督は、今シーズンの目標を、最低でもリーグチャンピオンと公言していたので、まさしく有言実行を果たした。しかも、前期・後期・地区優勝を経て戦った末の完全優勝であり、非常に価値のある優勝である。 球団には、飛びぬけた能力を持った選手がいるわけでもないが、チーム打撃とチーム投手成績の両方がリーグトップということでも実証される通りバランスがよく、お互いが切磋琢磨（せっさたくま）し、総合力にすぐれたチームとなった。秦監督やコーチ陣が選手個人の能力に応じた練習プログラムを作成し、熱心に指導し続けた成果が見事に表れた。個人タイトルでは、青木キャプテンが盗塁王、堤選手が最優秀防御率賞を獲得した。特に注目できるのが若手選手の成長であり、この先も彼らに大いに期待したい。 この１年、選手たちは、チームの勝利や自分自身の夢の実現のために頑張った。日々のチーム練習のみでなく、室内練習場で深夜まで特訓を続けていた選手も多い。投手は、夏場の連敗していた厳しい時期にも徹底的に走り込みを行った。そのような努力が実ったのである。 この後は独立リーグ日本一をかけて四国・九州リーグの高知ファイティングドッグスと戦い、オフシーズンを迎える。ＮＰＢドラフトでの指名を期待される選手もいるが、全員がいったんはチームを離れ、それぞれの職場で働きながら自主トレをする。現在の独立リーグでは、選手はプロ契約だが、決して経済的に恵まれた状況で野球ができるわけではない。しかし、いつかはおれも、というハングリー精神で、がむしゃらにプレーし、それに感動し、支援してくれる方々がいることが大きな励みになる。 球団としては社会貢献となる取り組みで地域に恩返しをする。そこに独立リーグの存在価値を見いだす。勝負ごとである以上、勝利する、優勝するということは極めて重要であり、選手たちは、この優勝を糧にし、人間として社会人としてさらに大きく強くなってもらいたい。今年の目標の一つは実現したが、地域密着型を目指す球団としては、運営面での課題が多く、この先の道は平たんではなさそうだ。周りからの期待も増す中、ここで１年を振り返り、さまざまな現状分析をしっかりした上で、早急に来季に向けたアクションをおこす必要がある。名実ともに、群馬県民が誇れる球団とするために。 (上毛新聞 2009年10月25日掲載) |