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ぐんまちゃん家所長  金子 敏男(東京都世田谷区)  



【略歴】沼田市出身。1967年、群馬県庁に入庁。消防学校、前橋行政事務所、東京事務所勤務を経て、2008年から現職。著書に「ポンプ繰法指導マニュアル」。



ぐんまちゃん家の挑戦



汗流し独自路線を模索



 昨年7月、関東エリアの県として唯一のぐんま総合情報センター「ぐんまちゃん家(ち)」を東京・銀座に開設しました。目的は群馬県の魅力を総合的に発信して、イメージアップを図り、本県経済の活性化につなげることです。

 今年10月、当初予想をはるかに上回る来場者30万人目を迎えました。「銀座の一等地によく出店できましたね」「群馬の野菜は新鮮でうまい」「北海道などと比べると品数が少ない」など、さまざまな意見・感想が寄せられます。アドバイスやかけられる期待は、組織能力を向上させ、ぐんまちゃん家のステップアップにつながります。

 現在、東京23区内に設置されている全国の自治体アンテナショップは30カ所を超えています。今年、中央区内だけでも山形、奈良、、福島県が出店し、16もの道府県アンテナショップが地域間競争を繰り広げています。一般的にアンテナショップというと、(1)地元産品の流通を拡大し、売り上げを伸ばす(2)地元産品の知名度や評価を高めてブランド化を図る―という目的のために設置されているものですが、利用者側から見ると地元産品のスーパーマーケットといったイメージが強く、売り上げ競争にさらされている実態があります。「売れ筋商品をそろえるだけでは、新たな商品の振興につながらないのでは」「都民への利便性を提供しているだけではないのか」といったジレンマを感じている担当者も少なくはありません。

 ぐんまちゃん家は、既存アンテナショップの運営形態をまねるのではなく、前例のない独自路線を模索しています。小売業的な販売から、新規流通ルート開拓のためのデパート、バイヤー、飲食業などを招待した商談会、マスコミと組んでの商品PRなど、ビジネス対応を強く意識した戦略もその一つです。また、「出発地からの移動距離が遠くなればなるほど、大きく周遊する」という観光学でいうラケット理論(扇の理論)に照らすと、群馬県と首都圏から遠いところとは、違った切り口からの企画が必要と考えています。

 県内市町村の中には、待っているだけではビジネスチャンスが訪れない、観光客減少に歯止めをかけなければと、危機感を持って積極的に取り組み、頑張って活動しているところが多くあります。

 そこでぐんまちゃん家は、エージェントとタイアップした企画募集型ツアーの開発や着地型観光PR等、独自のプロモーションに知恵を絞り、頑張っている地域と一緒になって汗を流していきたいと思います。さらに地域振興と観光振興とを結びつけ、交流人口を増加させて、経済的、精神的にも地域の元気を取り戻していくための活動拠点・戦略拠点を目指しています。






(上毛新聞 2009年12月3日掲載)