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NPO法人こころの応援団代表  千代田 すみ子(みなかみ町猿ケ京温泉)  



【略歴】東京都生まれ。特養老人ホーム勤務や農業を経験。新潟県中越地震でのボランティア活動などを経て、2005年、本県に移住。心の病のある人の支援活動に取り組む。


偏見と差別



一緒に行動し「理解」へ



 NPO法人こころの応援団は、昨年秋に設立し、ようやく1年が過ぎようとしています。「心に悩みや病を抱える方々と一緒に行動し、楽しむ」をコンセプトに、毎月のサロン事業を「エンジョイ事業」と名付け、これを中心にさまざまな事業を行っています。

 いずれの事業も当事者だけが対象ではなく、一般の方にもご参加いただき、一緒に行動することで「偏見や差別」が「理解」に変わっていくと考えています。

 特にスノーシューや森林浴、野外コンサートなどは、利根沼田地域の自然の中、共有体験をすることで地域の再発見と相互理解ができ、こころの応援団が願う「理解の輪」が少しずつですが広がっていると思います。

 近年、マスコミはうつ病を中心に精神疾患を取り上げておりますし、国や県でも力を注いでくれています。その効果もあってか、住民の方々も少しずつ精神疾患への理解を示してくださっています。しかし、それでもなお、「偏見と差別」は続いています。

 では、その「偏見と差別」とは具体的にはどのようなことなのでしょう。

 今、よく使われる言葉に「普通」という言葉があります。またその反対に「へん」という言葉もよく使われます。「普通」とは何か。「へん」とは何か。おそらくよく分からないまま、自分や大多数が「普通」で、それ以外の少数が「へん」と区別しているのでしょう。そしてその「へん」というくくりを除外しようとすることが差別や偏見だと私は思います。

 確かに、「へんな人」はどこにでもいます。しかし、自分も「へん」かもしれません。であるならば、「へん」でもOKにはならないのでしょうか。

 近年、精神疾患を患う方が急激に増加しています。それほどまでに現代の社会は心に優しくありません。「へんな人」が増加しているのです。おそらく、皆さんの周りにも1人や2人いらっしゃることと思います。ご自分だって例外ではないのです。

 大多数が「普通」だとしたら、近い将来、今の「普通」と「へん」が逆転するかもしれません。それでもあなたは「へん」を除外できますか。

 多分、今も「ちょっとへんな人だけど」と言ってその「へんな人」とお付き合いされている方もいらっしゃると思います。それこそが、偏見のない社会への第一歩であり、「へん」でもOKな社会です。

 そして、これこそが、安心してお互いを認め合い、助け合って生きられる社会です。

 そんな社会にしていきたいと私どもこころの応援団は今後も活動を続けていきます。





(上毛新聞 2009年12月8日掲載)