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ぐんまちゃん家所長  金子 敏男(東京都世田谷区)  



【略歴】沼田市出身。1967年、群馬県庁に入庁。消防学校、前橋行政事務所、東京事務所勤務を経て、2008年から現職。著書に「ポンプ操法指導マニュアル」。



パブリシティー活動



知恵絞って「仕掛け」を




 ぐんま総合情報センター「ぐんまちゃん家(ち)」の重要な機能の一つにパブリシティー活動があります。パブリシティー活動とは、マスメディアの報道として、無償で番組や記事の中に取りあげてもらえるよう働きかける活動です。

 「テレビ番組のロケを誘致するには」「ラジオ番組で紹介してもらうには」「雑誌・新聞に群馬特集を組んでもらうには」「県産品のPRをしてもらうには」―などと、ぐんまちゃん家のスタッフは、知恵を絞り、汗を流し、さまざまな「仕掛け」にチャレンジし、それら情報や成果を地元へ「つなぎ」をする黒子役を担っています。

 直ちに結果の出る場合もありますが、1年以上かかる場合もありますし、首尾よく行かない場合も出てきます。しかし、「仕掛けなければ浮上の機会がない」と考えています。

 テレビ制作会社へ番組の企画提案するためには、まず、番組の制作方針を理解しなければなりません。一般的な旅番組では、顎(あご=食事)、足(移動手段)、枕(宿泊場所)、場(観光地)の情報提供を必要とします。旅番組のジャンルであっても、半世紀以上続いている「遠くへ行きたい」は、現地の人へのインタビュー番組とのことなので、地元の魅力ある人材情報を提供することになります。経験論ですが、オンリーワン・ナンバーワン情報は、関心度が高く、ストーリー性を織り込むことにより、採用される確率がより高くなります。

 ロケのための事前調査や現地取材が決まれば、あとは地元の対応力に期待するのみです。ロケ先で、地元の熱意のこもった対応に感動したスタッフが、再度同じ場所をロケ先として選定してくれたこともあります。

 旅番組の現地ロケでは、過去にあった事実を再現するなどの協力要請が多々あります。テレビ業界では「真正性の演出」と言うのだそうですが、地元では「やらせ」との誤解が生じて、ロケ継続が窮地となったこともありました。新聞や雑誌も、取材先の対応によって特集のページ数や内容に差がつく例は多く見られます。つないだ後の成否が次の番組制作や編集に大きな影響を与えています。

 マスコミ側から共通して要求されることは、内容の正確さと迅速性です。取材は1回だけで済むことが少なく、出直し・やり直しは必然のことと受け止めています。より良い番組を制作しよう、良い記事を編集しようというディレクターや編集長の「ベターを積み重ねる姿勢」に応えられなければ、良好な関係が築けません。

 情報コンテンツづくりにたけているマスコミとの信頼関係を育はぐくみ、情報収集や情報発信に努め、群馬県の持つ、さまざまな魅力をPRしたいと考えております。







(上毛新聞 2010年1月29日掲載)