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赤城自然塾事務局長  小林 善紀(桐生市黒保根町)



【略歴】桐生高校、同志社大商学部卒。「古久松木材」(高崎市)に30年間勤務。1998年から4年間、旧黒保根村収入役を務めた。現在は赤城自然塾事務局長。


エコから広がる連携



◎原点を見つめ直そう




 環境・エコを接着剤にしたネットワークは東京にも広がっています。その意味は大変広く、とらえる人によってさまざまですが、このネットワークについて、環境・エコの原点を見つめ直す必要があります。

 原点の一つは、赤城自然塾設立理念であるナバホ族(米)の「自然は祖先から譲り受けたものではなく、子孫からの借り物である」「借りた物は借りた時の姿で返す」という言葉。

 二つ目は、1992年リオデジャネイロサミットで、当時12歳の日系カナディアン、セヴァン・カリス・スズキの伝説のスピーチ「大人たちは回復できない自然破壊を行っている。自然環境、地球環境は未来の子どもたちのものなのに」。ノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイの「モッタイナイ」もキーワード。

 Something・New。それはネットワークの協働から生まれるものです。具体化しつつあるものを列挙してみましょう。

 (1)赤城自然塾のFACEプロジェクトはField(森づくり/生物多様性の場づくり)、Approach(交流/エコツーリズム)、Education(環境教育/指導者養成)、これらのCollaboration(連携)。NPO化に向かっています。

 (2)サンデンフォレストは地域貢献が認められ、朝日企業市民賞を受賞。今年度は、県のCO2吸収量認証制度で取得企業の第1号になります。さらに地域・市民団体との連携の成功例としてトヨタ自動車から認められ、見学に来ています。

 (3)地域の課題に取り組む一つ畜産版5S(整理、整頓、清潔、掃除、しつけ)研究会が養豚会社などと連携、畜産の経営安定と安全な食品供給のため付加価値生産研究を開始。

 (4)赤城山環境ガイドボランティア養成講座が始まります。目的は語り部育成、環境配慮のイメージ付けと、新たな観「交」資源の掘り起こし。ステップI、II、IIIの3段階。Iは11月に赤城学(栗原久著)、環境教育プログラム・ガイド等をテキストにして行います。

 (5)「松枯れ林地再生プロジェクト 水源の森づくりと200年の森づくりデザイン」が2010年度日本財団助成事業として森林ボランティア団体、企業、行政、森林組合の協働でスタート。杉並区民、シブヤ大学、前橋工高生徒・職員、森林ボランティア団体、企業市民が実践中。

 (6)「桐生・新宿森と水による交流」は今年で8回。今後も内容の充実を図りながら続けます。

 (7)わたらせ森と水の音楽祭はNPO法人グループ28が08年までに10回開催。わ鉄支援コンサートとして2回実施、今後も継続。

 今後はコーディネーション/コラボレーションによる新しい取り組みで新たな価値付けを行い、よき実践例が生まれるよう努めます。







(上毛新聞 2010年9月22日掲載)