視点 オピニオン21
 ■raijinトップ ■上毛新聞ニュース 
.
川柳さろんGunma世話人  河合 笑久慕(太田市薮塚町)



【略歴】上州時事川柳クラブ事務局長。本名は遠坂孝雄。県川柳人協会委員。川柳研究社幹事。みやま吟社会員。古川柳研究会会員。本年3月より「川柳さろんGunma」開設。


川柳のすすめ



◎思いを表現新聞投稿を



 さあ皆さん、川柳を始めてみませんか。

 不況だの乱世だのと言われている世の中。少しでも心豊かに暮らすために「何か趣味を持ちたい」「もう一つ増やしたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。

 川柳とはどういうものか、知らない人は皆無でしょう。なにしろ、このページには「上毛川柳」が毎日掲載され、その好例を見ることができるのですから。

 そうです、川柳は17音字(575)で何でも自由に表現できる文芸です。年齢や境遇にかかわらず、誰でも創作の喜びを味わうことができます。いつでも、どこでも鉛筆と紙さえあればよいのです。気負うことも衒てらうこともありません。川柳は普段着の文芸、本音の文芸です。句の素材も、表現の仕方も限りがありません。

 よし分かった、やってみよう!どうすればいい? そう思い立ったら、まず「上毛川柳」に投稿するのが最適でしょう。地方紙で毎日欠かさず川柳を掲載している例を他に知りません。社の熱意が伝わってきます。

 実は私もこの「上毛川柳」が出発点でした。私の例が参考になるかどうか心もとないのですが、一投稿者としての体験を紹介させてください。

 1997(平成9)年の暮れのこと、ふと思い浮かんだ句を、初めて投稿したところ、それが掲載されてびっくり。その時の喜びは今でも忘れられません。

 これが呼び水。しかし、以後1カ月超、毎日3句以上投稿しても反応なし。はがきが選者の手元にちゃんと届いているのだろうか、そんな不遜(ふそん)な疑念さえ抱く始末でした。ここが一つの壁。でも後に引けません。そして呼び水も枯れかけた翌年2月、やっと2句目が掲載されました。以後、現在までほとんど毎日欠かさず投稿を継続。これは今も私の活動の柱の一つになっています。

 上毛川柳へ投稿を始めて間もなく、他の新聞へも投稿。いくつかの川柳の会へも入会するなど、発表の場を広げました。これが縁で出会えた同好者も次第に増えています。

 川柳の歴史や考え方、川柳界の現状なども知りたくなり、徐々に手を広げるたび、この文芸の世界の広さ、奥深さに感嘆するばかり。こうまで魅せられたのは、患った大病も一因とはいえ、楽しさと深い充実感のせいでしょう。日々の元気ももらっています。

 さあ、まずご自分の思いを句に表現して、投稿することから始めてみてください。何か手本をというなら、まずは今日の「上毛川柳」でしょう。

 そして、最も手近で重要な参考書を紹介します。『上毛川柳傑作集(正・続)』(山口菓声編・上毛新聞社刊)がそれです。

 心おきなくご一緒に川柳を楽しみましょう。







(上毛新聞 2010年11月24日掲載)