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ザスパ草津広報担当  金子 真美(前橋市朝倉町)



【略歴】イベント企画・運営会社に勤務時、草津温泉フットボールクラブ(ザスパ草津)へ出向。主に試合運営に注力。2006年、同クラブに入社し広報を担当する。


広報という仕事



◎“よろしく”を実践する



 ザスパ草津の広報担当になり、はや4年がたちます。それまでのイベント・企画会社で培った知識を活いかした試合運営の仕事から一転、会社の「顔」とまでいわれる部署に配属され、広報のイロハもわからないままスタートを切りました。

 そんなある日、加盟しているJリーグの広報担当者から「人のために正しい事をする」「道義的責任を主体的に考える」「事実の尊重」の3点を常に念頭に置くことのほか、「広報というのは自己紹介の時の“よろしく”を実践するもの」と教えられました。

 つまり、ザスパ草津のことを知ってもらい、共感してもらうこと。そして、さまざまなアクションを起こしてもらい、ザスパ草津が目指している活動に近づけること。そういった行動の働きかけの窓口をするということでした。では、実際に広報はどのような仕事をしているか。それは主に社外のさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションが主の役割で、特にメディアの対応です。

 具体的な一例をあげると所属選手の取材対応があります。言うならば「受け」の広報。テレビ、ラジオ、ウェブ、新聞、雑誌等マスコミから取材依頼を受ける。この際、必ず取材の趣旨を聞きます。対象選手意志確認はもちろんのこと取材の趣旨に適しているのかを検討。そのほか、旬の話を伝えるべく、取材日や掲載予定日・事前原稿チェックの可否などを確認。その後選手から取材、引き出した言葉の素材を料理してもらい、媒体を通じてみなさんへ発信していただく。そのことにより選手、同時にザスパ草津を知ってもらうことができるのです。さらにはサッカー・スポーツを知っていただく大きなきっかけにもなります。

 ちょっと裏話になりますが、取材を受ける際に困るのが取材場所。練習をしているグラウンドでは取材する部屋がなく、晴天ならともかく、雨天を考えると、そこでの取材はほぼ不可能。現在は企画内容により場所を選定して選手・取材スタッフの方に足を運んでいただいている状態です。

 お茶を飲みながらの取材もあれば、狭い一室で記者と寄り添うように選手が取材を受ける場合もあります。「いかにしてこの狭い空間と選手をマッチさせ、さらに選手の一番いい表情を引きだすか」。カメラマンの腕の見せ所にもなっています(記者・カメラマンのみなさん、ご協力をお願い致します!)。

 それ以外の仕事としては記者会見などがあります。報道関係へのリリース制作からスタートし、会場準備、受け付け、リハーサル、撤去終了までさまざまな進行があります。ザスパ草津2011シーズンはもう目の前に来ています。最初の仕事は新加入選手の記者会見。また新たな選手と出会いのスタートです。







(上毛新聞 2011年1月6日掲載)