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玉村町・和い輪いネットワーク代表  高橋 さゆり(玉村町斉田)



【略歴】岐阜県山県市出身。県の講座で子育てや家庭教育について学んだ後、1999年に「和い輪いネットワーク」を結成。事務局長を経て2007年から現職。


子どもの救急パート1



◎#8000の周知で充実を



 寒さもいっそう厳しくなり、空気もカラカラに乾いています。みなさんは体調の管理をどのようにされておられますか?

 群馬県では昨年秋からのノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行に始まり、今年1月に入りインフルエンザの感染が広がり、流行の目安とされる数値を大幅に超えて拡大しています。特に冬休みも明けて、子どもたちが集団生活に戻った学校や幼稚園・保育所などで学級閉鎖や学年閉鎖の措置がとられている話を耳にするようになりました。

 このような状況の中、小さなお子さんのおられるご家庭で、特に初めてのお子さんを親元から離れて夫婦2人の核家族で育てておられるお母さんやお父さんにとっては、お子さんの体調が急に悪くなった時、すぐに受診したほうがよいのか、家族でどのような対処をしたらよいのか戸惑うことが多いと思います。私もそうだったのですが夜間や休日に子どもの具合が急に悪くなった時、他県より転入し親兄弟もおらず、友人・知人もできていないなかではすぐに相談できる人も無く、どこの医療機関にかかればよいのかとかその所在場所がわからず、相談できるところがあればと不安に思ったことを思い出します。

 夜間と休日の全国同一電話番号の小児救急相談電話「#8000」を47都道府県で実施していることをご存じの方もおられるかと思います。この番号に電話すると、相談者が住んでいる都道府県の相談窓口に自動的に転送されてつながります。また、携帯電話からの使用も可能となっています。ただし、ダイヤル回線、IP電話等を利用されている場合はつながらないので注意してください。

 群馬県でも2005年からこの事業を始めており、上毛新聞の読者のみなさんの中には最近の紙面で、この「#8000」という電話番号のお知らせが掲載されたのを何度か目にされた方もおられると思います。

 群馬県では、この電話が「群馬こどもの救急相談」となっており、月曜日から土曜日は午後7時から深夜0時、日曜・祝日・年末年始は午前9時から深夜0時まで相談を受け付けていて、看護師や保健師が対応し助言をしてくれます。

 09年度の相談件数は1万2314件あり、その内夜間に7921件、深夜に1911件と夜間から深夜の利用がとても多くなっています。相談者も母親が1万454人と最も多く、相談対象の子どもの年齢も0歳から5、6歳までの乳幼児がほとんどを占めています。このようなことからも子育て世代が安心して子育てができるように、小さな子どもをとりまく救急体制のさらなる充実のためにも「#8000」の周知と0時以降の「#8000」電話相談の時間延長実施をいっそう望むものです。







(上毛新聞 2011年2月2日掲載)