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片品村文化協会長  千明 政夫(片品村摺渕)



【略歴】片品村生まれ。旧制沼田中学卒業。農業の傍ら、約30年間PTAとして村の教育に携わり、小中高校のPTA新聞の発刊に尽力。2007年から村文化協会長。



文化協会だよりの歩み



◎歳月の積み重ねで充実



 私が片品村の文化協会役員総会で、文化協会だよりの創刊を初めて提案したのは今から31年前のことです。3年目の1983年に承認されました。当時、文化協会は、会長が村長、副会長が村議長、教育長、各文化団体より代表者2人という官民合同でした。

 文芸部員の私が中心になり、「水芭蕉」と名づけた協会だよりを創刊し、私が編集委員長という形で現在に至っていますが、当時としては群馬県での草分け的存在であったようです。

 私は村の生き方として、まず経済の安定が第一の大きな柱、次に教育と体育、教育と文化という二つの柱が大切だと思っていました。そこで、「水芭蕉」を教育と文化を結ぶ架け橋にしたいと考え、原則としてこの誌面の半分を、文化協会各部長を中心にしての活動報告、半分を管内各小、中、高の6学校、教育委員会関連の報告などで受け持ち、会長や、副会長などの巻頭言や随筆などで結ぶという企画をたて、各部長を中心にして、編集委員会を作り活動を始めました。

 B5判8ページくらいで10号までは年2、3回発行しました。

 創刊時、活字の色は、黒に近い紺色が目に一番優しいという美術部長の提案で現在まで続いています。

 4年後に年1回の発行に変えて1996年まで続け、村報のB4判の大型化に伴って、「水芭蕉」もB4判18ページ前後の冊子版にしました。

 村の全戸に配布されているので、子供のいない家庭でも、村の文化関係で活動する子供たちの姿を知ることができます。また、教育関係の方にも、村の文化関係の姿が理解できるので、教育と文化を結ぶ、大きな役割を担っていると思います。

 村の文化関係の役員は、年間を通じて、会員の指導や、村の行事に溶け込んで活動をしています。たとえば、写真部では、村の刊行物の写真撮影に当たっているため、村勢要覧の費用が3分の1になったということです。芸能部の人たちは、敬老会やさまざまな場で演芸発表をしており、その他の部もそれぞれに充実した活動を続けています。また、近年では教育の場での活動も充実してきています。

 官民合同という形の協会でしたが、3年前、協会の自立を目的に、会長は民間からということになり、私が初代会長に選出され、村長、議長、教育長は顧問という形になりました。

 「水芭蕉」も近年は、教育委員会事務局の文化担当の皆さんにしっかりとした編集をしていただいてます。

 文化活動は、長い歳月の一つ一つの行事の積み重ねで充実していき、10年、20年の歳月で物ごとを考えていくことが大切だと思います。






(上毛新聞 2011年2月20日掲載)