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ライフ・プランニング・センター「新老人の会」群馬支部事務局長
                              吉江 福子
(前橋市上小出町)



【略歴】旧吾妻町出身。渋川女高、昭和大薬学部卒。薬剤師。介護支援専門員。病院や福祉施設、調剤薬局に勤務し、「新老人の会」群馬支部事務局長として活動する。


「新老人の会」から(2)



◎挑戦続ける姿勢に学ぶ



 1月14日に「新老人の会」群馬支部の第3回フォーラムが桐生市で開催されました。日野原重明会長の講演の演題は「生き方の発想の転換」です。シルクホール始まって以来の大入りだったそうです。日野原先生はいつものように立ったままで話され、会場に集まった人たちから「元気づけられた」「感動した」と言う声をたくさんいただきました。最後に会場全員で、大きなケーキで白寿のお祝いをしました。

 会長の忙しさは有名で、講演も3年先まで決まっているとよく聞きますが、「新老人の会」支部では年に1回、会長講演が開催されます。群馬支部では初の東部地区開催で、盛大に終えたことはうれしい限りでした。会長も喜ばれ、お帰りになったと聞きました。これも桐生市の皆さまのおかげで、「協働」の結果と感謝しました。

 それにしても、会長の忙しさと健康にはいつも驚かされます。今回の講演の前後も昨年11月24日から6泊8日のメキシコ支部へのツアー、帰国後、12月12日は1700人集めての千葉支部のフォーラム、その他にも大きな講演会、2月10日からはハワイ支部のツアーと多忙です。

 「新老人の会」には三つのスローガンがあります。1、愛すること。2、創はじめること。3、耐えること。そして一つの使命「子供たちに平和と愛の大切さを伝えること」です。当日午前には市内の小学校で「命の授業」がありました。その中で、サッカーのキーパー役で生徒さんとやり取りする姿は、私たちの心配が無用だったことを教えてくれました。

 会長は新しいものにいつまでも挑戦することを教えてくださいます。「チーム医療」「生活習慣病」の言葉を提唱し、「病院ボランティア養成」「音楽療法の普及」にも早くから取り組みました(私と会長のご縁は、群馬で初めての音楽療法研究会をつくったことがきっかけです)。また、緩和ケアの単独型施設「ピースハウス」を日本で初めて造り、がん治療への取り組みにも力を入れ、毎年緩和ケアの国際フォーラムを開催しています。

 会員は本部の研修会にも参加可能ですから、いろいろな勉強もできます。私にとっても視野を広げる機会になっています。私の父は戦後、吾妻の山村の診療所に赴任し、当時開業していた祖父の元に帰らずに一生を終えました。明治生まれの祖父、大正生まれの父、そして近代医療の中で医師、薬剤師として働く夫と息子たち。私は「医療人は患者さまと協力して病と闘うもの」と、幼いころから感じて育ちました。そのことを教えてくれる「新老人の会」でもあるのです。





(上毛新聞 2011年2月24日掲載)