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アウトドア・ツアー会社「カッパCLUB」社長  小橋 研二(みなかみ町小仁田)



【略歴】岡山県生まれ。1996年、アウトドア・ツアー会社「カッパCLUB」設立。ラフティング・ツアーをはじめ、スポーツイベントの企画運営、開催を手掛ける。



世界大会の誘致



◎自然と人材を生かす



 アウトドアイベントは国内各所で開催され、それぞれにぎわいを見せています。みなかみ町でも、アドベンチャーフェスティバルをはじめ、いろいろなイベントが開催されています。そんな中で現在推進しているのは、「参加者体験型イベント」にとどまらず、ワールドクラスの選手の戦いを観戦できる「レースイベント」の開催であり、アウトドアスポーツ世界大会の誘致活動です。

 ラフティング、トレイルランニング、マラソン、自転車など、みなかみ町の自然環境をもってすれば過去の世界大会と遜色ないレースの運営が可能であると思っています。自然環境もさることながら、それ以上に重要な人材確保という面でも、自然を求めてここに集まる優れた人材を生かすことができるはずです。

 オランダで昨年開催されたラフティング世界選手権で日本代表チームは優勝を成し遂げました。彼らはみなかみ町でアウトドアガイドをしていた縁で、この地をトレーニング拠点の一つとし、春の激流時には毎年合宿を組んでいます。

 また、鏑木毅選手や横山峰弘選手というトレイルランニングの国内2トップが本県に居住して練習に励み、世界最高峰の山岳レースで活躍を続けています。さらに、国内唯一のプロアドベンチャーレースチーム「イーストウィンド」の拠点もみなかみ町です。今年2月にチリで開催されたレースに出場した際には、町のバナーをユニホームに縫い付けてパタゴニアの舞台を駆け抜けました。

 世界を相手に戦った経験と実績を持つ選手が続々と集結しているのが、みなかみ町なのです。魅力ある自然を生かしアウトドアスポーツレースのイベントを開催することによって、この地に国内外の選手や関係者を集め、その素晴らしさを世界中に知らしめようというのが、世界大会誘致活動の目指すところです。

 ラフティング世界選手権の誘致活動は、3年後の実現を視野に本格的な準備に入りました。今年11月には北毛地域で3日間のアドベンチャーレースを開催しますが、いずれはこれも国際大会に発展させるべく動きが活発になっています。

 国際的なイベントともなると、有志のやる気と熱意だけでは立ち行かず、地域住民の理解と官民挙げた組織作り、支援体制が不可欠となります。地域の温かいもてなしと盛り上がりがあってこそのイベントです。

 成功に向かって地域が一致団結するきっかけとなり、活性化の一端を担えるようなイベントを作ること、みなかみ町の自然が持つポテンシャルを昇華させ世界へ向けて「みなかみブランド」を発信すること―それをわれわれの使命とし日々活動しております。






(上毛新聞 2011年3月10日掲載)