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イルミネーションデザイン・企画  斉藤 任俊(太田市鶴生田町)



【略歴】渋川市出身。米サンフランシスコ大卒。添乗員の傍ら、イルミネーションをデザイン、企画する。2008年から太田市でのイルミネーションを手掛ける。



輝けイルミネーション



◎工夫凝らし感動の光を



 太田市の冬の恒例行事の一つとして昨年10月から北部運動公園で開催されていた「おおたイルミネーション2010」は、たくさんの方のご協力で1月10日に無事終了することができました。最近は見る側の目も非常に肥えてきているため、新たなアイデアやテクニックを取り入れて、それぞれの場所にあったイルミネーションをいかに美しく楽しくお見せすることができるか―を毎回のテーマとしています。

 日本各地で行われているイルミネーションもそれぞれのデザイナー、施工業者が個性や特長のある飾り付けをしています。樹木の飾り付け一つにしても、LEDの間隔を何センチ単位にするか、縦方向に設置するのか、スパイラル状に巻き付けていくのか、何色かのLEDをまとめて使うのか、どのような形のLEDライトを使うのかなど、それぞれの樹木の個性を生かし、工夫しています。

 私が基本としている飾り付けは、1個1個のLEDライトをどのように取り付ければ最高の輝きを放ってくれるかということです。それぞれのLEDライトを生き物にたとえ「君たちが見に来てくださる方に最高のパフォーマンスを発揮してくれるように、1個も無駄なものはないよ」と言い聞かせながら飾り付けをしています。

 どこどこのイルミネーションは何万球のLEDライトを使用していると報道されますが、そのことに対して抵抗を感じてしまいます。全体を眺めたときに一つ一つの飾りが個性を出しながら、いかにバランス良く配置されているかが大事で、全てのLEDライトが素晴らしい感動を与えられるように光り輝いてくれるかです。

 イルミネーションに使用するLEDも日々進化を遂げ、旧来品と比較すると、明るさは同等ながら消費電力は1/3に抑えたものも出てきています。そのようなものを使用しながら一方で無駄な飾り付けを極力避けて省エネを意識したイルミネーションを心がけていく必要があります。今後はただ光るだけのイルミネーションではなく、光の動きや音、映像を組み合わせた個性的な演出を考えています。

 いろいろな場所でイルミネーションが定番化していく中、いかに太田市らしさを出し、たくさんの方々に集まっていただける話題性のあるイベントにできるかが大切です。今年は北関東自動車道も全線開通しますので、相乗効果として周辺の街や商業施設などがより活性化する経済効果が出てくれればと願います。訪れた方が笑顔でもう一度行ってみたいと思うようなイベントにしていくため張り切っています。





(上毛新聞 2011年3月14日掲載)