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玉村町・和い輪いネットワーク代表  高橋 さゆり (玉村町斉田)



【略歴】岐阜県山県市出身。県の講座で子育てや家庭教育について学んだ後、1999年に「和い輪いネットワーク」を結成。事務局長を経て2007年から現職。


子どもの救急パート2



◎安心子育てへ啓発事業



 前回の「群馬こどもの救急相談電話#8000」に続いて、子どもの救急についてのパート2を書かせていただきます。これから親になる方、子育て中で特に育児は初めてというご両親、お孫さんの世話を始める方のために、少しでもお役に立てればと思います。

 群馬県は「子どもの救急ってどんなとき?~上手なお医者さんのかかり方~」という冊子を作成しています。

 1) 主な症状別の対処法1(熱が出たとき)~10(誤飲・誤食をしたとき)

 2) チェックポイント1(上手なお医者さんのかかりかた)~6(受診した方がよいのかわからない時)―の2部構成です。

 カラー版でイラストもふんだんに使用されていて、とてもわかりやすい内容です。1冊20円(税込み)で県民に提供され、子育て中の世代にはとてもありがたく、うれしいものとなっており、手にした方々に活用されています。

 群馬県でこの冊子をテキストにした「地域密着型子どもの救急啓発事業」という委託事業の募集があることを知って、わたしたちのグループも応募し「こどもの救急A・B・C…~現役小児科医が語る、こどもの救急対処法~」として計画実施しました。

 計画を立てていく中で、一番聞いてほしい乳幼児の保護者に参加いただくためにいくつかの課題もでてきました。しかし、行政の全面的な協力と、インフルエンザ診療に忙しい中、病院勤務のお医者さんの協力を得て、町内外の多くの人に参加してもらうことができました。

 参加者のアンケートには、とてもわかりやすいお医者さんの話を子どもと離れてゆっくり聞くことができたことに対する感謝の言葉がほとんどでした。また、来年以降も毎年、新しく親になる方たちに講演会を続けていってほしいとの要望が多くありました。

 何につけてもそうだと思うのですが、知らないよりは知っているほうが、学ばないよりは学んだほうがよいと考えます。私自身も「あの時知っていれば」と思ったことが多々あります。ぜひ、多くの地域で当グループのようにこの事業を実施していただきたい。多くの方々に子どもの救急を取り巻く現状を知ってもらい、子育て世代が安心して子育てできるように、そして、小児医療を支えるお医者さんや医療関係者に過大な負担がかかることのないよう願ってやみません。

 最後に、このたびの東日本大震災で被災されましたみなさまに心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。







(上毛新聞 2011年3月30日掲載)