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管理栄養士  小坂 桂子 (高崎市中室田町)



【略歴】明和学園短大卒。病院、老人ホーム勤務を経て現在同短大非常勤講師。NPO法人群馬の食文化研究会理事。ぐんま女性会議で男女共同参画社会推進に取り組む。

こころの元気を



◎身近なことから実践



 「こころの元気を保つために~あなたらしく生き生きと~」と題した県女性団体連絡協議会(26団体加盟)主催の新春講話を聴講しました。講師の県生活文化部長は「人から人に元気を与えること」について、「人は誰でも他人に元気を与えられる」「人は誰でも他人から元気をもらっている」「他人からもらう元気は計り知れない」と話されました。

 心に響くこの言葉をお聞きした翌月、まさに元気をいただく機会がありました。それは、高崎市榛名公民館主催の「みんなでつくる音楽会」にゲスト出演した「シャインスターズの」演奏でした。作業所で働きながらキーボードを中心とした楽器の練習をしている、障がいを持つ青年たちのバンドです。グループの音楽指導をしているYさんは、10年前より自営業の傍ら、特別な気負いもなく自分でできることを実践されています。若者たちのひた向きな演奏にあたたかなエールがおくられたと同時に、会場の皆さんは元気をたくさんいただいきました。

 さて、数年前より各地域で「いきいきサロン」という介護予防促進等のためのつどいが開かれており、私も管理栄養士としてかかわっています。その中のひとつ、Aさんが代表であるNPO法人では、常設のいきいきサロンだけでなく、防災活動に積極的に取り組んでいます。法人の設立目的に「地域に根ざし、愛され、活動し、防災意識の向上を育むこと…」とあるように、防災マップづくり等具体的な取り組みもされています。

 本稿で紹介させていただいた方々は、さまざまな分野でいきいきと活躍されている女性の皆さんです。「ぐんま女性会議」では、過去3回、県・市に対して男女共同参画社会実現のための取り組み状況についてのアンケートをお願いしました。昨年実施した結果についても今後検討し、公表を予定しています。

 いま、国内の現状を考える時、そして足元をみると、『もったいない』の言葉が連想されます。仏教用語では、物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ嘆く気持ちを表しているそうです。そして『MOTTAINAI』の言葉を世界に知らしめ、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞されたケニア人女性、ワンガリ・マータイさんの活動を再度見直したいものです。具体的には、環境3R(ごみ削減・再利用・再資源化)+命の大切さや、かけがえのない地球資源に対するRespect(尊敬の念)が込められている言葉ですが、県内女性団体でも身近なことから実践されています。

 さて、80年前、山口県に詩人、金子みすゞが生まれました。26年の短い生涯でしたが、今テレビのCMで話題となっています。彼女のあたたかな眼(まな)差しが今の私たちの心に響いてきます。






(上毛新聞 2011年4月3日掲載)