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声楽家・ヒプノセラピスト  永井 隆子(太田市寺井町)



【略歴】武蔵野音大声楽科卒。NHKカルチャー前橋講師。演奏活動と合唱指導の傍ら、ライフワークとして「インナーチャイルドの癒やし」、「前世セラピー」に取り組む。


息の長い支援を



◎仲良く、分かち合って



 東日本大震災による被災地の一日も早い復興をお祈りするとともに、亡くなられた皆さまのご冥福をお祈りいたします。

 3月11日に起きた未曽有の出来事は今なお、被災地の方の生活に多大な影響を及ぼし続け、それを知る誰もが、不安な気持ちを抱えながらも「何か自分にできることはないか?」と考え始めている気がします。

 もう既にボランティアとして現地に向かい、体を張って被災された方たちのために働いている人、救援物資を届けに通う人、避難先の地域できめ細かな援助と心のケアをお手伝いする人、チャリティーのイベントを催す人…。まだまだ数え切れないほどの“愛”の行動が、連日テレビなどで報道され、次々と“愛の連鎖”を呼んでいるように見えます。

 募金をしたり、風評被害にさらされている地域の野菜を積極的に食べたりすることやテレビなどに応援メッセージを寄せることなど、間接的に祈りの思いを形にしている人の数も増える一方です。

 多くの人たちが感じていることと思いますが、計画停電での不便さやいまだ収まらぬ余震を体感するたびに、私たちは被災地へと心をはせている気がします。

 そしてそのたび、テレビや新聞などで伝えられている被災地の人たちの我慢強さや穏やかさ、分かち合いながらもしっかりと前に進む心の強さを思い起こして、勇気をもらっているのだと思います。

 「頑張ろう日本!」や「つながろう日本」という言葉とともに、「この支援を長く続けていこう」という意味の言葉が叫ばれています。

 支援を続けていくことは、私たちが勇気をもらい続けていくことでもあるでしょう。命を落とされたたくさんの方たちが「今だけでなく、ずっといつの日までも皆で仲良く、分かち合って」というメッセージを私たちに残してくださっているように感じます。

 「争って奪い合う」ことよりも「愛し合って分かちあう」ことを選択し、ずっと続けていくこと…それは現実的な支援を続けるのと同じくらい大切なことだと思います。

 今回はヒプノセラピーについて書かせていただくつもりでしたが、この「前世」や「胎児期」「幼児期」を体験するセラピーも、過去の自分が体験したことをいたずらに思い出すのではなく、その出来事に託されたメッセージを受け取り、より良く生きる自分、みんなが幸せに生きていくためのヒントを得るためのものです。

 次回、実体験を交え、お伝えいたします。






(上毛新聞 2011年4月23日掲載)