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◎高い技術と知識でケア 看護職とは、保健師、助産師、看護師(准看護師)になるが、その後経験を積み、特定の分野での専門性を高めた看護を目指すときには、日本看護協会の専門看護師、認定看護師という制度がある。認定看護師は1997年に2分野から始まり、現在全19分野、認定を受けている看護師は全国で7334人に上る。認定看護師になるためには看護職として一定の経験があり、約半年の研修を修了後、認定審査を受ける必要がある。認定看護師は、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践を行い、看護の質の向上を図ることを目的としている。 当院では3分野5人(緩和ケア2人、皮膚排泄(せつ)ケア2人、手術看護1人)の認定看護師が活躍している。そのほか認定審査の結果を待っている看護師が1人、これから半年の研修を受ける看護師が1人いる。2人の認定看護師は、特定の部署に所属せず病院内を横断的に活動し、看護師の相談を受け、実践を通して看護師の指導を行っている。また、看護ケア外来として主体的に患者さんやその家族のケアに携わり専門性を発揮している。特定の部署に所属している看護師も、できるだけ資格を生かせるような配置になっており、所属する部署でのケアの向上に努めている。 先日、当院でのフットケア外来の確立に向け、関係部署マネジャーとフットケアに関する研修を修了した看護師、事務部職員で話し合いを行った。足の神経障害や血流障害を持つ患者さんは足の傷に気づきにくく、治療を始めても治りにくい。ひどくなると足を切断するような状況になる可能性があるので、足の病気にならないよう予防を含め早い時期からのケアが必要である。 多くの病院でこのような患者さんを対象にフットケアに取り組んでいるが、当院でも不定期だったフットケア外来を定期的に始めることとし、従事する看護師と場所の確保、ケアの記録方法などについて確認し合った。糖尿病専門医の協力も得られ、今後、足病変に悩む患者さんに良いケアが提供できるのではないかと期待しているし、何よりもフットケアにかかわろうとする看護師の熱意を感じている。 認定看護師以外にも助産師の行う母乳外来は人気があり、資格を持つ看護師の活用と同時に、患者さんへのサービスを充実させることは重要だと感じている。さらに厚生労働省は特定看護師(仮称)という新たな役割の看護師の育成を検討している。チーム医療推進の一環として、今まで医師が行ってきた処置の一部を研修を積んだ看護師が実施することで、医師の負担軽減や患者さんへのサービスの向上につなげようというものである。変化の波に乗り遅れないよう、今後の動向に注意していきたい。 (上毛新聞 2011年5月29日掲載) |