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プロデューサー・プランナーK&AssociatesInternational代表
                              川島 佳子
(東京都港区)



【略歴】館林市出身。立教大大学院修了。企画会社、財団職員などを経て現職。NPOちきゅう市民クラブ事務局長、県人会理事、ピッコロ・バイオリン研究会代表、ほか。


新しいメディア



◎機能を知り上手に活用




 昨年末、チュニジアでジャスミン革命と呼ばれた民主化運動の際、会員制交流サイト「Facebook」(フェイスブック)が大きな役割を果たしたとして注目を浴びた。その後、エジプトでムバラク大統領を辞任に追い込んだ騒乱の際も、デモなどがFacebookによって呼びかけられた。私はこれまでMIXIに参加したこともなく、ツイッターも一応やってはみたものの、使い方も利点も理解できずにいたので、当然、Facebookという言葉は知っていたが、一切利用していなかったし、何にでもすぐに飛びつくのは軽薄と思っていた。

 1月に山崎大地さん(宇宙飛行士・山崎直子さんのご主人)と出版社の方と3人で食事をした際、2人から勧められ、それじゃあとばかりにページを開設した。当初、自分のページを作っただけで、「あなたのお友達だと思われる人」という一覧情報が出てくるのを見て、何だか怖くなった。それらの人々が確かに私の友人だったからだ。「なぜ、私がこの人と友達だと分かるのか」。それぞれの個人情報が筒抜けであり、監視されていることを物語っている。しばらくは特に何もせず静観していた。

 他の人たちの情報発信を眺めていると、この新しいメディアの使い方や機能が何となく見え始めた。例えば「群馬県館林」で検索すると、同級生を発見できた。中学の同窓会の際、10人の幹事があちこちに問い合わせても、連絡先が分からなかった人だ。早速、友達リクエストを出し、今、彼との連絡が容易につくようになった。これは利点である。最近は「私の母はあなたと同じ高校の卒業生です」という連絡があった。私は館林女子高校東京同窓会の事務局長もしているので、このような情報はありがたい。 プロフィル情報が掲載されているので、セグメント化したアプローチが容易にでき、マーケティングツールとして、上手に活用することができる。先日、ファミリー向けの音楽鑑賞会を開催した際、Facebookを見て、来てくださった方がいた。普通の情報掲載サイトよりも効果があるようだ。友人の友人ならば安心だが、イラクに赴任中の米軍の方やアルゼンチンのヒップポップダンサーらからの唐突な友達リクエストには躊躇(ちゅうちょ)する。しかし、生善説にたてば、いながらにして、世界中のあらゆるプロフィルの方々と知り合いになれる面白さもある。

 何でもそうだが、人間が作り運用するものは、その使い方により功罪併せ持つ。私がFacebookを始めて、既に友達が千人を超えてしまったことを告げると、小学校5年生のおいは「すぐ映画に影響されちゃうんだから。気をつけないと情報流出しちゃうんじゃないの」。近頃の小学生はしっかりしている。






(上毛新聞 2011年6月19日掲載)