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イルミネーションデザイン・企画  斉藤 任俊(太田市鶴生田町)



【略歴】渋川市出身。米サンフランシスコ大卒。添乗員の傍ら、イルミネーションをデザイン、企画する。2008年から太田市でのイルミネーションを手掛ける。



LEDランプ



◎省エネと長寿命で普及




 東京電力福島第1原発事故の長期化を受け、政府は電力需要がピークとなる今夏、大口需要者に節電を義務づけ、一般家庭も節電が求められます。省エネに対する取り組みが世界規模で実施され、省エネ長寿命というLEDランプが急速に普及し始めました。LEDとはLight(光)、Emitting(放射)、Diode(ダイオード)のそれぞれの頭文字を取った造語で、可視放射およびそれに近接する波長の電磁波を放射するダイオードです。

 LEDは既存の照明とはかなり異なる特徴を持っています。蛍光ランプのように発光部を長くしなくても効率化が可能だったり、ハロゲン電球のように反射鏡の真ん中に発光素子を設置しなくても配光制御が可能です。既存光源と比較して長寿命であるのはもちろんですが、紫外線をほとんど含まないので、虫が寄ってこないなどのメリットもあります。電球型LEDランプを、白熱電球や電球型蛍光ランプから置き換える際に、どのランプにしたら良いのかわからないという質問を受けます。明るさ、光色、形状、適合性について注意すべき内容を簡単に説明したいと思います。

 明るさ。従来の白熱電球の消費電力で40ワット形などのように表されるのが一般的でしたが昨年、日本電球工業会は電球型LEDランプの性能表示としてワット形とルーメン表示のガイドラインを規定しましたので参考にしてください。選択時に注意しなければならない点として配光があります。従来の白熱電球や電球型蛍光ランプは光は全ての方向に広がりましたが、LEDランプは口金側には光が回らず部屋の空間が暗く感じるものも多くあります。

 光色。白熱電球からLEDランプへ交換した場合、物の色の見え方が変わってしまう場合があります。この現象は演色性が異なる場合と、色温度が適切でない場合があります。白熱電球の演色は太陽光に近く少し赤みを帯びています。色温度は昼白色、昼光色などいろいろありますので生活シーンや好みによって使い分けてみましょう。

 形状。電球型LEDランプは消費電力に見合った放熱機構を備える必要から白熱電球と寸法や形状が異なる場合がありますので互換性を確認しましょう。

 適合性。LEDランプの特性や寿命は室温で評価した値が基準になっています。LEDランプには放熱機構が備わっており、照明器具内で点灯すると各部の温度が上昇し、LED素子やモジュールの劣化が加速し寿命を短くしてしまいます。特に密閉形や断熱施工形では顕著になります。このような理由で電球型LEDランプによっては使用できない器具もあります。照明器具の適正交換でエコで安心そして快適な照明環境を実現してください。







(上毛新聞 2011年7月3日掲載)