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玉村町・和い輪いネットワーク代表  高橋 さゆり(玉村町斉田)



【略歴】岐阜県山県市出身。県の講座で子育てや家庭教育について学んだ後、1999年に「和い輪いネットワーク」を結成。事務局長を経て2007年から現職。


子どもたちの未来へ(2)



◎支援物資タイムリーに




 「暑いですねぇ!」「今日も蒸しますね!」。こんなあいさつが日々交わされています。いよいよ夏本番を迎えました。これまでも気温が30度を超す日々が続きましたが、35度を超す「猛暑日」も群馬県では珍しくなくなり、熱中症が心配される日々が続いています。日々のあいさつの言葉もまた変わっていくのでしょうか?

 子育て支援センターではここ数年、「みどりのカーテン」をゴーヤで作っています。わが家でも今年は面積を広げて育て始めました。ゴーヤ、ミニカボチャ、小玉スイカ、アサガオなど、収穫も望みながらの取り組みです。

 東日本大震災が発生した3月11日はまだまだ寒く、冬物の衣類や寝具が必要な季節でした。それが今は、日々気温が30度を超す気候となりました。乳幼児のおられる被災地のみなさまは、放射能の心配もあるなか、どのようにこの夏をすごされておられるのでしょうか?

 今も避難所で生活されておられる方々、仮設住宅に移られた方々、被害を受けた住宅で生活をされている方々、十分に支援物資は届いているのでしょうか?

 被災地の行政のホームページなどを見ますと、夏物の衣類や寝具類の提供を呼びかけているところが多く見られます。また、マスコミにより報道されていますが、害虫が非常に多く発生しているとのことで、殺虫剤やハエ取りリボン、ハエたたき、蚊取り線香なども提供が呼びかけられています。

 ですが、大口の受け入れは実施されているものの、個人からの受け入れは、まだ再開されていないところが多く見られます。震災直後は支援物資も毎日配給されていましたが、日がたつに連れて週のうち2日ほどとなっている所もあるようです。まだまだ支援物資の地域格差は解消されていないようです。

 私たちのグループでも3月と4月の2回、乳幼児向けの支援物資をお届けさせていただきました。必要なときにタイムリーにお届けしなければ支援物資は必要でない物となってしまいます。

 被災地ではがれきの処理だけでも大変なことになっているのに、ある町では7トン、ある市では20トン以上の支援物資が処理をしなければならない必要でない物となってしまっているとの報道もあります。被災地全体ではどれ程の量が…と考えさせられてしまいます。

 災害のない群馬とよく言われますが、災害緊急時に「想定外であった」ということのないように、子どもたちの未来のためにもより一層の危機管理体制の充実を望むものです。






(上毛新聞 2011年7月23日掲載)