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太田商工会議所専務理事  松田 賢治(桐生市新里町)



【略歴】旧笠懸村生まれ。桐生高、法政大卒。1967年に太田商工会議所に入所。事務局長、常務理事を経て2005年から現職。地域の中小企業支援に力を注ぐ。



食と観光で活性化



◎誇れる味を全国へ発信




 電力使用制限令が発動され「節電の夏」をどう乗り切っていこうかと思案していることと思います。東日本大震災後、社会そして経済環境が大きく変化しました。想定外のことがこれからも数多く起こることを考え、企業でも家庭でもいろいろなことに対応していく準備が大切であると考えます。

 県内の各商工会議所は、7月1日にスタートした「群馬デスティネーションキャンペーン」を盛り上げることと地域活性化のため観光、グルメの推進に力を入れております。各市の誇れるグルメが数多くありますので、今回そのいくつかを紹介させていただきます。ぜひ現地に行って食してください。

 まず、県都の前橋は「うTON飯」です。材料はうどん・豚肉・米等すべて県内産で呑龍市にも出店していただき、人気があり完売でした。

 高崎は「パスタ」で、老舗の店で修行を積んだスタッフが次々に独立しパスタ専門店が多く誕生。今ではパスタの街高崎として定着しています。

 桐生は、幅の広い「ひもかわうどん」(幅10センチ)です。織屋さんが仕事の合間にさらっと食べられ好評であったと言われており、最近では冷たいもりが人気になっております。

 伊勢崎は「いせさきもんじゃ」です。昭和30~40年代、駄菓子屋さんの片隅には必ず「もんじゃコーナー」があり、子供たちのおやつの定番でありました。今では子供にも大人にも大人気です。

 館林は「分福茶釜の釜玉うどん」で、館林の良質な麦とおいしい水で作られ、また、有名な「醤しょうゆ油」が一体となり、ますますおいしいグルメとして人気を博しております。

 富岡は「こんカツ」で、名産品であるコンニャクを使い、手軽な調理として地元で人気があります。

 沼田は「あん入り味噌まんじゅう」。沼田では焼きまんじゅうと言わず味噌まんじゅうと呼び、味噌を使ったふる里の味として食べられております。

 太田は「焼そば」であります。いろいろな味がありますが、太田焼そばのれん会のみなさまが研究し、やや甘口のソースを利用、B級グルメ全国大会でのグランプリを目指しています。

 太田に焼そばが広まったのは戦後、ラビットスクーターやスバル360などのヒット商品を生み出していた富士重工業や関連企業に東北地方から多数の人が働きにきておりました。東北には古くから焼そばが存在し、この人達が太田に持ち込んだのでは、とされています。

 7~9月は群馬をPRする「群馬デスティネーションキャンペーン」です。身近な「食」や「観光地」を県民が体験し、そして、全国へその魅力を発信しましょう。







(上毛新聞 2011年7月26日掲載)