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藤岡市鬼石商工会事務局長  秋山 博(藤岡市岡之郷)



【略歴】日大法学部卒。1978年に中里村商工会に就職した後、県商工会連合会と赤城村商工会での勤務を経て2001年4月から現職。行政書士などの資格も持つ。


群馬DC機に観光振興



◎祭りテーマの映画製作




 7月1日から9月30日までの3カ月間、本県全域と栃木県の一部市と地区で、大型観光企画「群馬デスティネーションキャンペーン(群馬DC)」が行われています。私が勤める鬼石商工会でも地域振興の絶好のチャンスととらえ、群馬DCに合わせて観光振興の準備を進めてきました。

 その中の一つが、毎年7月中旬に開催される鬼石夏祭りです。すでに7月16日、17日でこの祭りは終わりましたが、今年はこれまでとは少し違い、観光客のために「おもてなしの心」で桟敷席をお祭り広場に設けました。見物客にゆっくり座って、じっくり堪能していただくために設置したものです。元来、地区の八坂神社の祭りで「自分たちで楽しむ祭り」でしたから見物客のことは二の次で、立って見物するのが当たり前でしたが、今年は「観光客に見せる祭り」を意識しました。

 その結果、訪れた町内外の見物客からは「普段と違い桟敷席からの山車の眺めは素晴らしく、寄り合いのお囃子(はやし)は一段と素敵で格別でした」と、大好評でした。当商工会としては、鬼石夏祭りが、地域の祭りから一級の観光資源として藤岡市の風物詩となれるよう今後も支援。移動人口の増加につなげていける仕掛けとして、大いに地域経済活性化に貢献できると思います。そういう意味で当初の目的を果たせたと手応えを感じ、来年に向け期待を膨らませています。

 そしてもう一つ、群馬DC期間中のソフト事業として「まち映画」の製作があります。現在、鬼石青年会議所と当商工会を中心に、鬼石夏祭りをテーマとした「しゃんしゃんしゃん、しゃしゃしゃんしゃん」という長い題名の映画づくりに取り組んでいます。

 出演者のオーディションを行って配役を決め、6月から撮影入り。7月のお祭り本番までの期間、ロケを行って、すでに撮影はほぼ終了しました。あとは8月に編集し、DCが終わる9月末には何とか試写会を兼ねた製作発表に持っていけそうです。

 この映画では藤岡市内の高校や駅などおなじみの施設や今年の鬼石夏祭りのエネルギッシュなシーンなどが背景に入っており、さらに奇岩で有名な国指定名勝及び天然記念物・三波石峡など美しい鬼石の景色も織り込まれることになっています。出来上がりが楽しみです。

 このように、当商工会では、この夏の群馬DCをきっかけに今後、観光振興に火がつき、地域が活性化してくれることを大いに期待し、単なる一過性で終わることのないようバックアップしていきたいと考えております。






(上毛新聞 2011年7月31日掲載)