視点 オピニオン21
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声楽家・ヒプノセラピスト  永井 隆子(太田市寺井町)



【略歴】武蔵野音大声楽科卒。NHKカルチャー前橋講師。演奏活動と合唱指導の傍ら、ライフワークとして「インナーチャイルドの癒やし」、「前世セラピー」に取り組む。


赤ちゃんの似顔絵



◎末永い幸せ祈って描く




 7月初旬、館林市で50年以上の長きにわたり、産婦人科医をされていた白澤実先生の「しのぶ会」があり、参会させていただきました。先生は画家としても著名な方で、当日は会場にも先生の自画像をはじめとする何点かの油絵が飾られました。

 実はこの「視点」の第2稿として私が書かせていただいた「アンチエイジングセミナー」の主催者であり「世界一受けたい授業」や「モーニングバード」への出演でおなじみの白澤卓二先生(順天堂大学加齢制御医学講座教授)は、亡き先生のご次男で、お兄さまと共にすでに済まされた家族葬ののち、日を改めて「しのぶ会」を催されたのでした。

 「平服でお越しください」という参加者への呼びかけの意味を物語るかのように、会場は明るくやわらかい雰囲気に包まれ、どの人の口からも悲しみの言葉ではなく、尊敬と感謝の言葉があふれ出していました。

 そんな中、最も印象深かったのは赤ちゃんの顔が描かれた色紙のお話でした。

 実先生は自ら取りあげた赤ちゃんとそのお母さんが退院する日、2枚の色紙と絵筆を持って病室を訪れ、かわいらしい赤ちゃんの似顔絵を描きました。1枚はお母さんへプレゼント、あとの1枚は自分の保管用です。描き続けてその数は優に1500を超すというのです。

 そのうちの何枚かを私も拝見することができましたが、描きながら赤ちゃんの末永い幸せを祈っていらした実先生の気持ちが伝わってきて、温かいエネルギーに包まれました。

 絵のモデルとなった赤ちゃんは、この世に生を受けて間もない時期に、家族の愛と同じくらい大きな愛をこの“愛あふれるお医者さま”から受け取ったに違いありません。

 前回書かせていただいた「ヒプノセラピー」の誘導で、幼児期や胎児期を思い出したり生まれる瞬間を体験したりしますが、絵のモデルであった人が大人になって、この絵を描いた人の思いに触れた時、きっとヒプノと同じような感動を体験されることでしょう。

 11月11日にみどり市にある笠懸野文化ホールで、アンチエイジングをテーマに「いつまでも若々しく美しく人生を楽しむために」というタイトルのイベントを開催する予定です。アンチエイジングを推進していらっしゃる卓二先生の講演をメーンに、卓二先生監修の「アンチエイジングメニュー」の試食や「アンチエイジングコンサート」、そして卓二先生のルーツである実先生の絵画展も同時開催する予定です。

 大作の油絵の醸し出す宇宙的なパワーとともに、赤ちゃんの絵からあふれる“愛のパワー”をたくさんの方に体験していただきたいと思っています。








(上毛新聞 2011年8月17日掲載)